琉球エアーコミューター(RAC)は31日で飛行時間約10分の日本一短い路線で知られる沖縄県の北大東島と南大東島を結ぶ路線を休止する。8月1日からは那覇―北大東が毎日1往復、那覇―南大東が毎日2往復で運航する。住民からは「生活面では直行便の方が利用しやすい」などの歓迎の声もある一方、頻度を減らして路線の存続を願う声も聞かれる。
那覇、南大東、北大東の3カ所の経由地をたどる航路として通称「三角航路」と呼ばれ親しまれた。RACによると、1997年10月に、南大東と北大東の空路が開設され、那覇との三角航路は約27年間維持してきた。
月、金、土、日は那覇―北大東―南大東―那覇の順で、火、水、木は那覇―南大東―北大東―那覇の順で運航してきた。8月からの直行便で、各路線を1日0・5便ずつ増やし、南大東は1日1・5往復から2往復に、北大東は0・5往復から1往復に増便する。
RAC社は「路線計画を工夫をさせていただき、那覇と北大東、南大東を直行便でつなぐことで、ご利用いただく皆さまの利便性の向上を図ることを目的として実施している」と説明した。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/07/RS20240729G01026010100-scaled.jpg)
今後は、北大東と南大東間を移動する場合は、那覇を経由するか、所要時間約1時間のフェリーなどに乗る必要がある。
路線休止の発表を受けて島を訪れる観光客は増え、5月以降は、チケットが取りづらい状況が続いたという。北大東村の60代の男性は「路線休止の駆け込み需要があり、単月で通年の倍を超える来島者があった。利用喚起されたところはとても大きかった」と振り返る。
家族で利用する北大東村の30代の女性は「子どもを連れて乗り換えは大変なので、直行便を選んで乗っていた。曜日を気にしなくてもよくなる」と期待する。北大東―南大東の路線を仕事で利用してきた60代の男性は「利用頻度を見て、週に2便ぐらいは経由していただけると非常に助かる」と話す。「(両島の行き来がしづらくなると)近くにあって遠い島になる」と懸念した。
(與那覇智早、田中芳)