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明和大津波を教訓に 石垣で慰霊祭、犠牲者悼む


明和大津波を教訓に 石垣で慰霊祭、犠牲者悼む 参列者の前で作文を朗読する白保中2年の森心羽菜さん=石垣市宮良の明和大津波遭難者慰霊之塔
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 【石垣】明和大津波遭難者慰霊祭が4月24日、石垣市の宮良タフナー原にある明和大津波遭難者慰霊之塔で行われ、約140人の参列者が犠牲者の冥福を祈った。明和の大津波は1771年4月24日に石垣島近海で起きた地震によって発生し、八重山では9千人余が犠牲となった。
 中山義隆市長は今年4月3日に台湾で発生した地震に伴って津波警報が発令されたことに触れ「多くの市民が高台に避難した。災害から大切な人の命を守るため防災、減災を心がけることが、私たちに与えられた使命」と述べた。
 石垣市では津波警報発令時、避難者の6割が車で避難したとのアンケート結果があり、渋滞も起こっていたことから、避難に際しての課題が浮かび上がっている。
 児童生徒を代表して、真喜良小学校6年の金嶺衣真さんと白保中学校2年の森心羽菜さんが作文を朗読した。森さんは「命を守るリレー」と題し、「台湾で発生した地震による津波警報が発生し公民館や高台に避難する人は少なく見えた。自分自身の行動が周りにも広がり命をつないでいく」と今後の防災に対する決意を述べた。 (金城啓介通信員)