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小生、遠矢さん 全日本柔術V 共に名護のジム所属


小生、遠矢さん 全日本柔術V 共に名護のジム所属 第18回全日本マスター柔術選手権で優勝した小生由紀さん(右)と遠矢一徳さん=4月25日、名護市港のグランドスラム沖縄A・P・P
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】4月19~21日に大阪府で開催された第18回全日本マスター柔術選手権で、名護市の総合格闘技ジム「グランドスラム沖縄A・P・P」の小生(おの)由紀さん(41)が女子マスター3紫帯ライトフェザー級で連覇を果たした。同じジムの遠矢一徳さん(43)もマスター3青帯ライトフェザー級で優勝した。2人は優勝を喜びつつ、小生さんは「(黒帯まで)上の帯はあと二つあり、帯色を変えられるようにしたい」、遠矢さんは「日々の練習で胸を貸してもらうおかげで強くなっていく。自分一人で取ったわけではない」と気を引き締めた。
 全日本選手権は30歳以上が挑戦できる大会で、年齢や帯色、体重で階級が分けられている。
 昨年はポイント勝ちで試合を制した小生さんは今大会、全試合一本勝ちで連覇を決めようと気合を入れた。初戦の腕十字固めで腕を痛めたが、決勝は40秒ほどで一本勝ちを決め「優勝した瞬間、目標を達成できてうれしかった」と振り返った。
 柔術を始めた9年前は女性の競技人口が少なかった。大会にエントリーしても対戦相手がいないため試合が成立せず、練習成果を発揮できる場が限られていた。近年は競技人口も増え始め、他のジム仲間と女子練習会にも取り組む。
 小生さんは「女性も気軽に始めて県内に柔術を広めていけたら。みんなで強くなりたい」と意気込んだ。
 遠矢さんは4年前にジムへ入って柔術を知り、約1年前から試合に出始めた。昨年11月に県内で開かれた大会では接戦で敗北して「やることがあると気がついた」と闘争心に火が付き、週1回だった練習量を週2~3回に増やした。
 全日本に向けた減量で激しい走り込みをして練習にならないこともあったが、後半はパワーを残しながら安定した減量に努め、目標の6キロ減に成功した。今大会は優勝を意識せず目の前の一勝を積み重ねたといい「優勝すると思わなかった」と驚いた。一方で上位ランクの試合を見て「上には上がいる。練習を重ねて半歩でも前に進めていければ」と気を引き締めた。 (武井悠)