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地図確認や備蓄 災害に備えを 浦添 「自分の命 人に委ねないで」 浦城自治会研修で防災士・照屋さん


地図確認や備蓄 災害に備えを 浦添 「自分の命 人に委ねないで」 浦城自治会研修で防災士・照屋さん 防災士の照屋孝さんの防災マップに関する説明を真剣に聞く浦城友の会の会員=5月24日、浦添市の浦城自治会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【浦添】浦添市城間の浦城自治会で5月24日、防災研修「シニア世代の防災について」が開かれた。市総務部防災危機管理課の防災士・照屋孝さん(63)が、災害への備えや心構えについて講話した。浦城友の会の会員約20人が参加した。講話では、防災マップで地域を把握しておくことや、備蓄のこつ、防災の注意点など八つの項目について語った。
 防災マップは見るだけではなく、夜中だったり、雨だったりさまざまなケースを想定し、実際に避難場所まで行き、帰り道まで確認することがポイントだとした。埋め立て地であれば水害に注意するなど、住んでいる場所のかつての地形や言い伝えを知ることも、早期の避難判断につなげられるとした。
 一時的な避難先「避難場所」、継続的な避難先「避難所」の違いにも触れ、4月の台湾地震に伴う津波警報発令時には、垂直避難ができる場所への優先避難を勧めた。避難に際しては、火事を防ぐためにブレーカーを落とすことや、地震発生時は、屋内に閉じ込められないよう扉を開け慌てて外に飛び出さないことなどの心得も助言した。
 備蓄品は、普段利用する缶詰や飲料水を多めに買って、使ったら買い足すことを繰り返す方法を紹介した。照屋さんは災害時に備えて準備する物について、「持っていく物と、家に置いておく物を別に考える。2リットルのペットボトルを持つのは大変。避難時には、財布と携帯電話と老眼鏡、薬は最低減必要。何を持っていくか自分自身で考えておいてほしい」と呼びかけた。
 阪神淡路大震災で、国や行政の救助がすぐに来られなかった際、地域の人々が協力し合い救助に当たった写真を紹介。自助、共助、公助がうまく回っている状態が、災害時に発揮できるように、日頃の行動や関係づくりの重要性を語った。最後に照屋さんは「自分の命。人に委ねないで」と、常に最悪を想定し率先して避難するよう強調。そのためにも「おいしく食べて健康でいてください」と願った。
 参加した與那嶺俊彦さん(78)は「避難場所と避難所の違いが、初めて分かった。まずは防災マップを確認し、自分の住む場所について、もっと知ることから始めたい」と話した。
  (藤村謙吾)