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喜如嘉に「博愛の里」の碑を 大宜味 「讃える会」が区長に要請


喜如嘉に「博愛の里」の碑を 大宜味 「讃える会」が区長に要請 要望書を前田貞夫区長(後方左から3人目)に手渡す、喜如嘉を讃える会の狩俣幸男会長(同2人目)=14日、大宜味村の喜如嘉区公民館
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 【大宜味】「喜如嘉を讃(たた)える会」(狩俣幸男会長)は14日、大宜味村喜如嘉区を博愛の里として内外に伝えようと、碑の建立などを含めた要望書を前田貞夫区長に手渡した。
 要望書では「博愛の里-喜如嘉-」の碑建立を求めている。1945年4月6日、米軍に撃墜された特攻隊員の寺内博中尉(享年20)の遺体が、喜如嘉の海浜に漂着した。当初、区民は米兵の遺体が漂着したと思ったが、敵兵であっても埋葬しようと考えて、遺体の回収に向かったという。46年に作曲された喜如嘉小校歌は、4番まである歌詞の頭文字を取ると「博愛」となる。
 同会は、同区が博愛の精神に貫かれていると考えて、校歌を刻んだ碑の建立と説明板の設置を要望した。
 さらに、区内の農村環境改善センターには、寺内中尉の妹である浅野綾子さんが住民への感謝と兄への鎮魂を込めて詠んだ歌碑がある。同会は、歌碑に刻まれていない歌も追加刻字するよう訴えている。
 狩俣会長は「戦争という非常事態においても、喜如嘉には人間性を失わない博愛の精神が根付いていた」と力を込めた。前田区長は「区の先輩方が残してきたメッセージを伝えていきたい」と述べた。 (玉寄光太)