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「開拓当時の食 経験つなぐ」 婦人会長に喜久山さん


「開拓当時の食 経験つなぐ」 婦人会長に喜久山さん 連合婦人会長に就任した喜久山美香さん(中央)と、中村マリア第3婦人会長(左)、上間エリカ第1婦人会長(右)
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 ボリビアサンタクルス県のオキナワ移住地、連合婦人会長に、第二移住地婦人会の喜久山美香さん(52)が選ばれた。喜久山さんは今年1月、婦人会を代表して国際協力機構(JICA)の日系社会研修「食を通じた婦人部活性化コース」で日本を訪れ、日本食を中心とした調理技術や地域活性化に関する知識を学んだ。オキナワ移住地での活動に向け「移住地を開拓した入植当時からの歴史は記録としてあるが、婦人の歴史や足跡がない。当時、日本食の材料がない中で作られた料理、婦人らの手作り婚礼料理などを記録として残したい」と抱負を語る。
 移住当時は、食用油の代わりにエンジンオイルを使って料理をして、豆腐はにがりの代用にレモンを使っていたという。「こうした多くの知恵と経験を次世代につなげていきたい」と話す。
 喜久山さんは、サンタクルス県育ちの2世。オキナワ第二移住地の日本語学校、ヌエバ・エスペランサ学校、市内のリンカーン私立高校を卒業した。その後、1990年に琉球大学の県費留学生として両親の故郷へ。帰国後、母校のヌエバ・エスペランサ学校の教員となり、約15年間勤務した。そのうち4年間は校長として勤務し、長年にわたり、県系子弟の日本語教育や沖縄文化の授業に携わってきた。
 2022年の第7回世界のウチナーンチュ大会に合わせて開催された、金武町主催の世界のシマヌチュ大会では、ボリビア金武町人会から特別招待者として参加した。(安里三奈美通信員)