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戦没者200人を追悼 大宜味・大兼久で慰霊祭


戦没者200人を追悼 大宜味・大兼久で慰霊祭 北霊之塔に手を合わせる区民ら=23日、大宜味村大兼久
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 【大宜味】第2次世界大戦などで亡くなった大宜味村大兼久の出身者を弔う「北霊之塔」で6月23日、地域住民ら約40人による慰霊祭があった=写真。強い西日が差す中、参加者は慰霊碑に手を合わせ、戦没者を追悼した。慰霊碑は1958年に建立され、約200人の名が刻銘されている。
 遺族代表であいさつした平良森雄さん(89)は、慰霊碑に祖父、父、叔父の3人が刻銘されている。平良さんによると、父は45年に那覇から大兼久に戻ってすぐ、宇土武彦大佐が率いる日本軍の国頭支隊(宇土部隊)に動員された。部隊の生存者から戦後、父が召集から2週間で戦死したことを伝えられたといい、遺骨は今でも戻っていない。
 あいさつで父に触れた平良さんは「戦争の話をすると、小さかった頃の悲しみが湧き上がってきて非常につらい思いがする」と涙をにじませた。戦後、生活が苦しい中で慰霊碑を建立した人々に感謝し「二度と戦争が起こらないようにみんなで頑張っていきましょう」と願った。
 山城均区長(66)は「戦争のない恒久平和を望む機会として慰霊祭の継続を誓う」とあいさつした。 (武井悠)