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65年たっても傷残る 宮森小ジェット機墜落 うるま・伊波中 宜野座さん証言伝える


65年たっても傷残る 宮森小ジェット機墜落 うるま・伊波中 宜野座さん証言伝える 65年前の宮森小米軍ジェット機墜落事故について話す「ハーフセンチュリー宮森」代表の宜野座映子さん=6月25日、うるま市の伊波中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【うるま】うるま市立伊波中学校(照屋武校長)の3年生112人を対象に、65年前の宮森小米軍ジェット機墜落事故について学ぶ平和学習「尊い命を見つめて」が6月25日、同校で行われた。事故を語り継いでいる「ハーフセンチュリー宮森」代表の宜野座映子さん(77)が講話。宜野座さんは、墜落現場にいた児童やその親たちから聞いた証言を伝え「しっかり学んでほしい。これからの世界をつくるのは皆さん一人一人だ」と生徒たちに訴えた。
 宜野座さんは、宮森小の事故では、日常を送っていた児童らが逃げる間もなく無残に亡くなり、残された家族や教員は今も苦しみ続けていることを伝えた。2004年の沖国大ヘリ墜落事故など終わらぬ米軍基地の被害を伝え「こんな悲しいことが起きる世界は終わってほしい」と力を込めた。
 元高校教諭の宜野座さんは、教え子だった若者たちと共に、事故の被害者から聞き取りをした。その内容を元に2010年、絵本「宮森の空-宮森630」を作成した。講話では、絵本を朗読して「どの命も大切だという思いで作った」と話した。
 伊波中は4月から平和学習を行ってきた。世界の情勢、沖縄戦などを学び、最後に宮森小の墜落事故に向き合った。生徒たちは地元で起きた事故についてこれまでも繰り返し学習してきたという。
 しかし、宜野座さんの話にまっすぐに聞き入った。
 與那覇樹乃さん(14)は「65年がたっても多くの人に傷が残っていると感じた。二度と繰り返してはいけないと改めて思った」と話した。 (岩崎みどり)