prime

地域資源の活用、滞在型観光の促進 島一周道路の整備を早期に 粟国村長当選・上原一宏氏に聞く 沖縄


地域資源の活用、滞在型観光の促進 島一周道路の整備を早期に 粟国村長当選・上原一宏氏に聞く 沖縄 インタビューに答える上原一宏氏=8日、粟国村の上原氏事務所
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 【粟国】7日投開票の粟国村長選で初当選を果たした上原一宏氏(62)に今後の村政運営について聞いた。

 ―投票数500のうち207票を獲得したが、勝因をどう考えるか。
 「これまでの36年間の行政経験が信頼に結びついたのではないか。他2人の出馬が決まった後に打診があり、出馬するか悩んだが、結果的に地域の方々の支持を得て当選することができた。感謝したい」

 ―力を入れたい政策は。
 「子育て支援や雇用創出、観光振興など。村道一周線の整備促進は一刻も早く進めなければならない。土地の所有形態が複雑で、整備が頓挫した状態のまま14年も前進できていない。長年放置されている土地を活用することにより、利便性が向上するだけでなく、ハブの生息地を減らすことにもつながる」

 ―子育て・教育支援について。
 「村では学校給食の無償化や海外ホームステイの補助を通じて子育てや教育を支援してきた。現状の大きな課題は教員不足だ。補助人材(支援員)も不足しているが、募集してもなかなか応募がない状態。DX推進による業務改善を図り、教員の負担軽減を目指す」

 ―観光振興について。
 「地域資源を生かした滞在型観光が重要だ。昨年は7年ぶりにハーリーが開催された。毎年欠かさず実施し、恒例イベントとして定着させる必要がある。若者が魅力を感じる島をつくることで、観光客増加はもちろん、定住による人口増加にもつなげたい」

 ―どのような村づくりを目指すか。
 「これまでのような村長によるトップダウン行政ではなく、住民の意見を聞きながら事業を丁寧に進める。公聴会や説明会の回数を増やし、住民の声に耳を傾ける」

(聞き手・普天間伊織)

                                                


 うえはら・かずひろ
 1961年11月20日生まれ。粟国村西出身。南部工業高卒。86年に村役場入りし、会計課長、総務課長などを務め、2022年教育長就任。村長選出馬のため、ことし5月2日に辞職した。