生き物の世界のぞき込む 名護・ネオパーク 9月まで企画展 穴の仕掛けも 沖縄


生き物の世界のぞき込む 名護・ネオパーク 9月まで企画展 穴の仕掛けも 沖縄 ネオパークオキナワで始まった企画展「研究者を驚かせた生き物たち展」=22日、名護市のネオパークオキナワ
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 【名護】名護市のネオパークオキナワは20日から、園内の自然情報博物館で、企画展「研究者を驚かせた生き物たち展」を開催している。「のぞく」をテーマに、沖縄の自然科学界で功績を残した研究者の功績をパネルで紹介し、国立科学博物館の巡回展示などもある。来場者らは研究者たちをとりこにした生き物の世界をのぞき込み、不思議に触れて楽しんでいた。展示会は9月23日まで。

 研究者の紹介は3章に分かれ、第1章は国頭農学校(現・北部農林高)の初代校長も務めるなど、名護にゆかりのある黒岩恒さん(1858~1930)を取り上げた。沖縄の自然科学の第一人者である黒岩さんはクロイワボタル、クロイワトカゲモドキなど「クロイワ」と付く生物名が数多くあるほか、尖閣諸島の命名者でもある。展示会はその生涯と、功績をパネルで展示した。

 第2章はネオパークオキナワの生みの親、初代園長の故近藤典生さんに焦点を当てる。オニオオハシやカピバラといった園内でも見られる生き物の骨格標本を、解説と共に展示した。近藤さんの動植物園造りの理念や、スケッチ資料も並んでいる。

 第3章は国立科学博物館の巡回展示「ダーウィンを驚かせた鳥たち」。ダーウィンが進化論を考えつくヒントとなったとされる鳥「ダーウィンフィンチ」を紹介する。昆虫食、花蜜食、種子食、雑食の食性に適応して、くちばしの形状が異なる15種に分化したダーウィンフィンチを、精巧なバードカービング(鳥の彫刻)によって比較観賞できる。

 展示を担当した山中隼輝(としき)学芸員は、「企画展は『のぞく』をテーマに、穴をのぞく仕掛けや、骨格標本をいろいろな角度からのぞく展示をしている。研究者たちが夢中になっていた世界をのぞき見ることで、興味のある生き物を深く掘り下げる楽しさを知ってもらえたら」と来場を呼びかけた。

 開園時間は午前9時半~午後5時半(最終入場は午後5時)。企画展を含む入園料は大人(中学生以上)1600円、小人(4歳~小学生)千円。電話0980(52)6348。

(荒﨑彩子通信員)