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三線とピアノ「二刀流」 宜野座の江崎さん、奏でるシンフォニー 沖縄


三線とピアノ「二刀流」 宜野座の江崎さん、奏でるシンフォニー 沖縄 沖縄民謡協会第47回資格審査委員会で優秀賞に輝いた江崎大紋さん=10日、宜野座村のピアノ教室ウィーン
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【宜野座】宜野座村松田区潟原に暮らす江崎大紋(だいもん)さん(22)が沖縄民謡協会第47回資格審査委員会で優秀賞に輝いた。三線歴3年で「新人賞」「優秀賞」を受賞。ピアノも演奏する江崎さんは、三線との「二刀流」だ。「ウィリアムズ症候群」という病気にすら悠然と構え、大好きな音楽、祖母と一緒に、充実した沖縄の日々だ。

 江崎さんは名護市生まれのウチナーンチュだが、父親の都合で5歳から千葉県で過ごした。3年前、宜野座村の祖母が、同居していた曽祖母の老人ホーム入居で1人暮らしとなった。祖母を心配した江崎さんは「おばぁを1人にさせられない」と、沖縄移住を決意。当時はコロナ禍の渦中だったが「大紋が決めたことだから」と、両親も勇んで送り出し、祖母も喜んだ。

 元々沖縄の文化芸能が大好きで、三線への憧れから惣慶区の知念正信民謡研究所に入門。近所のピアノ教室「PIANO LESSON WIEN(ピアノ・レッスン・ウィーン)」に通い、幼少期のピアノ経験を生かす。「ベートーヴェンが大好き」と、ピアノ教室を主宰する大嶺和枝さんと連弾も披露する。大嶺さんは「大紋君は聴いた音楽を即興で演奏する。自分流に演奏するセンスも良い。絶対音感がある」と高評価だ。

 朝は潟原の浜からの「あがいてぃーだ(昇る朝日)」を浴びながら散歩するなど、健康的だ。いとこや友人が多く、仕事も充実している。多彩な大紋さんは「楽譜なし」でもすてきなシンフォニーを奏でていく。 

(池辺賢児通信員)