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故アレンさんの思い伝える 宜野座さんら 沖国大で特別授業 歌と踊りで平和訴え


故アレンさんの思い伝える 宜野座さんら 沖国大で特別授業 歌と踊りで平和訴え 平和の大切さについて歌と踊りで説く(右から)宜野座さん、前田さん、新里春加さん=7月24日、宜野湾市の沖縄国際大
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宜野湾】元米海兵隊員で平和活動家の故アレン・ネルソンさんの遺志を継ぎ、ベトナムの子どもたちを支援する「アレン奨学会・沖縄」の宜野座映子代表らを招いた特別授業が7月24日、沖縄国際大で開かれた。宜野座代表は学生らに向けて、アレンさんが体験した過酷な戦争体験や、65年前の宮森小米軍ジェット機墜落事故を、身ぶり手ぶりを交えながら説明した。同大卒で2004年の米軍ヘリ墜落事故を目の当たりにした小学校教諭の前田美幸さんらも登壇し、歌と踊りを披露しながら平和の尊さを唱えていく大切さを訴えた。
 経済学部の鹿毛理恵教授が開講する「国際経済」の授業の一環で、生前のネルソンさんと交流していた宜野座代表を招いた。宜野座代表はネルソンさんから、ベトナム戦争時に「女性も子どもも老人も動くものは誰でも殺してきた」との経験を聞いた。帰国後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患ったネルソンさんは贖罪(しょくざい)の意識を持ち、2000年代にベトナムを訪問し人々に謝罪した。
 宜野座代表は「この指は銃の引き金を引くものではない。この手で隣の人と手をつなぐのだ。私たちは一人では生きていけないから」とのネルソンさん言葉を紹介した。
 平和活動の一環で名護市辺野古の新基地建設への抗議行動に参加している宜野座代表は「命は一つしかない。沖縄の現実から目を離して辺野古に行かないのが安全なのか。これからの沖縄をどうするか、みんなで考えていこう」と訴えた。
 前田さんは「米軍機の墜落や不時着、部品落下、米兵の暴行事件。人ごとのように感じていたが、2004年に私の大学で(米軍機が)落ちた。沖縄は本当に平和と言えるのか」と投げかけ、平和を保つために自分なりの行動を示す必要性を説いた。 (梅田正覚)