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旧海軍司令部壕から戦争考える 豊見城・伊良波中 屋良所長が講話


旧海軍司令部壕から戦争考える 豊見城・伊良波中 屋良所長が講話 平和学習を終えて、旧海軍司令部壕事業所所長の屋良さん(左)にお礼と感想を伝える桑野さん=6月11日、豊見城市立伊良波中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【豊見城】豊見城市立伊良波中学校はこのほど、市豊見城の旧海軍司令部壕事業所所長の屋良朝治さんを招いて、平和学習を開いた。屋良さんは「旧海軍司令部壕から考える沖縄と平和」をテーマに、校内の教室でオンラインを活用して講話した。生徒たちは講話を受け、6月18日の総合学習で、旧海軍司令部壕を見学した。
 壕は約3千人の兵士が昼夜5カ月間かけて手掘りして造られた。地下20メートルの位置に450メートルの長さがあり、現在公開されているのはそのうちの300メートル。屋良さんは「海軍が沖縄戦で豊見城の山の上に地下壕を掘ってまで戦争をした。戦える船は9割もない。どうしてやめなかったのかということを考えてほしい」と語りかけた。旧海軍司令部壕の内部をパノラマ映像で見せ、沖縄戦の映像や写真などを用いて実態を伝え、沖縄戦を学び続けることの大切さを訴えた。
 2年生を代表してあいさつした桑野名累さん(14)は「戦争の大変さを改めて実感した。人間の心を失う恐ろしさも感じた」と話した。安部蒼大さん(14)は「映像を見て実際はこんな悲惨なことが起きていたのだと感じた。これから一日一日を大事に生きたい」と話した。 (田中芳)