有料

いじめない社会 どうつくる 伊江 教職員ら道徳授業参観


いじめない社会 どうつくる 伊江 教職員ら道徳授業参観 「魚の涙」を題材にいじめについて考えた1年2組の授業=7月11日、伊江中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【伊江】伊江村教育委員会は7月11日、伊江中学校(伊波寿光校長)で「道徳・特別活動研修会~自立した学習者を育成する授業づくりについて~」をテーマにした村保幼小中合同研修会を実施した。「15の島立ちを見据え、連携を強固なものにするとともに、子どもたちの学力向上のため教職員の資質向上に資する」ことが狙い。
 国頭教育事務所や村教育委員会、村内3校の教職員、村立保育所の保育士が参加し、各担任が行う道徳の授業を参観した。
 1年2組では、古蔵一平教諭が、さかなクンが著した「魚の涙」を題材に「いじめをさまざまな角度から見つめ、いじめが起こらない社会をつくるために大切なことを考えよう」との主題に迫った。
 この教材はさかなクンがメジナという魚や中学校時代の部活動でのいじめについて語る。具体的にイメージを膨らませるため水槽の中で1匹の魚がいじめられている動画を見せた後、「魚の涙」を朗読。その後、「なぜいじめを止めることができないのか?」「いじめにあった友達と釣りに行ったさかなクンはなぜそのような行動をしたのか?」などの先生の質問に生徒は個人で考えをまとめた後、ペアやグループでそれぞれの考えを共有した。
 いじめが起こらない社会をつくるために大切なことは?の質問に、友寄結心(ゆいと)さんは「行動や言動を発する前に相手の気持ちになって考える。さかなクンのように、いじめられている人がいたら寄り添ってあげたい」と答えた。分科会の中で授業者の古蔵教諭は「内容項目への迫り方が難しかった」と振り返った。
 宮里聡仁国頭教育事務所指導主事は「道徳の授業は苦手だと思う教師が多い中で授業をしたことは素晴らしい」と評価し、「内容項目を押さえ、教材文を活用し自分事として捉えさせる授業を目指しこれからも取り組んでほしい」と助言した。
 授業を参観した後の全体会では、宮里指導主事による「自立した学習者を育成する授業づくりについて」の講話が行われた。 (知念光江通信員)