有料

悩み愚痴 笑い飛ばし50年 今帰仁村平敷 石嶺さん(97)らモアイ区切り


悩み愚痴 笑い飛ばし50年 今帰仁村平敷 石嶺さん(97)らモアイ区切り 最後のモアイ帳
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【今帰仁】半世紀以上続いた「結の会」のモアイが7月12日、区切りをつけた。沖縄の復帰後に開始し、全員が今帰仁村平敷区の女性メンバーで構成する。石嶺文子さん(97)、大城千代さん(90)、外間好子さん(87)、上間マツ子さん(92)の4人が当初から参加する。これまで女性のみで入れ替わりながら、全くもめごとがなく、最後は12人のメンバーで構成していた。
 毎月10日のモアイ会場は最年長の文子さんの自宅。酒は全く飲まずに、夕方からお茶やコーヒーでユンタクが止まらず、気付けば夜12時を超えることも何度もあった。近況報告や嫁しゅうとめの話、それぞれが抱えるさまざまな悩みや愚痴などを明るく笑い飛ばし、毎回会話の内容は全く覚えていないと笑う。
 メンバーは文子さんの自宅を「石嶺喫茶」と呼び合いモアイの日以外でも、時間があるメンバーは「ハイ、今から石嶺喫茶に行くよ」と連絡を取り合い文子さんの自宅に足を運んでいた。だが、その集いの場が老朽化で取り壊され、現在は区外に住む娘と暮らす文子さんは「自慢できる仲間たちと離れてとても寂しいさぁ」と語る。
 10年ほど前から昼2時から集まり、2時間のユンタクを最近まで楽しんでいたが、今回で終止符を打った。
 好子さんは「コロナ禍の期間も、距離をとりマスクやフェースガードをして会話が弾み、気が付くとフェースガードなしで一生懸命ユンタクしていた」と笑顔で思い出を振り返る。
 「今後は?」とメンバーに聞くと「やっぱり終わったら寂しいさぁ。新しい集まりも、また考えてみようかね」と笑顔で今後の集う計画を夢見ている。 (新城孝博通信員)