有料

情報流出手口など学ぶ 県警、沖縄高専で講演会


情報流出手口など学ぶ 県警、沖縄高専で講演会 技術流出の防止に向けて学生に講演する県警の宮城弘幸外事課長=7月29日、名護市の沖縄高専
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】県警は7月29日、技術情報などの流出を防ぐための講演会「経済安全保障と警察の対策について」を名護市の沖縄工業高等専門学校で開いた。技術者倫理の授業の一環で、同校の5年生が参加した。県警の宮城弘幸外事課長が登壇し、情報漏えいの手口や対策などについて学生に伝えた。
 宮城課長によると、理系の研究者やエンジニアは情報流出のターゲットに特になりやすく、理系職を選択する学生が多い同校での開催に至った。講座では企業の機密情報が狙われた事例の紹介や、技術流出を防ぐための啓発動画が放映された。
 スパイ工作や経済、学術活動への備えとして「See(相手をよく見る)」「Stop(立ち止まって考える)」「Share(共有・相談)」の三つのSを守る重要性も説明された。
 来年春から理系の大学への編入を目指している生徒の1人は「自分たちが今いるアカデミックな場所でも被害があるのが衝撃的だ」と驚いた。宮城課長は講演会で「それぞれが経済安全保障に関する情勢を知ってほしい」と願った。
 県内では2022年、那覇市立図書館・図書室でサイバー攻撃によるシステム障害が発生した。宮城課長は講演会後の取材で「ネットワーク環境があれば(攻撃は)どこでもあり得る」と注意を促した。 (武井悠)