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犠牲者107人の鎮魂祈る 伊江LCT爆発事故76年


犠牲者107人の鎮魂祈る 伊江LCT爆発事故76年 慰霊碑に手を合わせ、事故の犠牲者を追悼する参列者=6日、伊江村川平
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 【伊江】米統治下の1948年8月6日、伊江島の波止場で起きた米軍弾薬処理船(LCT)爆発事故被爆者慰霊祭(村主催)が6日、伊江港に隣接する被爆者慰霊碑前で開かれた。遺族をはじめ村議会議員、役場職員ら約50人が参列し、107人の命を奪った戦後最大の爆発事故を振り返り、犠牲者に鎮魂の祈りをささげた。
 事故は当日の午後4時過ぎ、米軍の戦後処理で未使用の爆弾や爆薬、不発弾をLCTに積み込み、島外に運び出す作業中、荷崩れを起こして爆発、炎上した。不幸にも連絡船の入港と重なり、船員や下船中の乗客、島外から戦没者の遺骨を引き取りに来た遺族、出迎えに居合わせた人々を巻き込み大惨事となった。
 爆発音は島内に響き渡り、真っ赤に焼けた破片は周辺の民家や原野に散乱し、村内63人、村外44人の尊い命が奪われた。負傷者は村内外合わせて70人あまり、八つの家屋が全焼した。
 名城政英村長は「76年の歳月が過ぎ、二度とこのような惨事が起こらぬよう命の尊さ、繁栄の喜びを分かち合い、恒久平和を希求する」と慰霊の言葉を述べた。