有料

地域防災「考える日」 中城・奥間、専門家招く


地域防災「考える日」 中城・奥間、専門家招く 地域の防災について専門家を交えて話し合った「奥間防災を考える日」=7月21日、中城村の奥間区公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中城】中城村の奥間自治会は7月21日、専門家を招いて「奥間防災を考える日」を同区公民館で開催した。災害時に備えて、どのように行動したらいいかを考える機会にすることが目的。
 地盤に詳しい琉球大学島嶼防災研究センターの渡嘉敷直彦さんは、奥間地区の急傾斜地先には民家が近接しているため、豪雨や地震による斜面崩壊の際に被災の可能性があると提言した。中部土木事務所職員は「地滑り防止指定地域について」として、県農林水産部南部林業事務所職員が行う「地滑り防止対策工事」などの進ちょくを説明した。役場の防災担当職員も避難に関する情報を提供し、共助の重要性を伝えた。
 2023年の台風6号の影響で、同区と南上原区の斜面で地滑りが発生し、今年6月の大雨では河川から水とともに流れ出た石ころで道がふさがった。住民らは生活を脅かす自然災害に見舞われ、不安と隣り合わせの心境を訴えた。末吉義良自治会長は「大雨が降るたび心配だが、地滑りを抑制する工事など環境が整うまでは避難して人命を守るしかない。共に考えよう」と、区民に訴えかけた。
 今後は村の担当者や社会福祉協議会と連携し、自主防災組織や老人会のボランティアらと、一人での避難が困難な高齢者などの実態を把握することから始める。避難計画を立て、実際の避難訓練実施までを目標に掲げた。 (儀間由紀美通信員)