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振慶名の300年 歩いて学ぶ 名護 区がウオーキングコース制定


振慶名の300年 歩いて学ぶ 名護 区がウオーキングコース制定 蔡温による羽地大川改修跡地などを巡る「振慶名ウオーキング」の参加者ら=11日、名護市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】地域の歴史を継承しようと、名護市振慶名区(座喜味務区長)は11日、振慶名にゆかりある地などを歩いて学ぶ「振慶名ウオーキング」を初めて開催した。琉球王府時代の政治家・蔡温による羽地大川の改修跡などを巡るコースで、市内外から約100人が参加し、学んだ。
 振慶名区はもともと、蔡温の山林政策によって、今帰仁村湧川から移転した経緯がある。12年後の2036年に集落移転300年を迎えることもあり、県地域振興協会の助成を受け、地域の歴史を知るウオーキングやロゲイニングのコースを制定するなど、取り組みを進めている。
 11日は、歴史調査をしている「うずまき企画」がパンフレットを編集、印刷し、同社の比嘉久さんが講師を務めたほか、前田産業ホテルズがノルディックウオーキングのインストラクターを派遣して参加者らに楽しさを伝えていた。
 蔡温の改修事業を後世に伝えるために「改決羽地川碑記」が建てられているピームイと呼ばれる場所や、改修前の川の合流地点で、大きな池があったとされるオーグムイ跡などを巡る風光明媚(めいび)な3.5キロのコース。比嘉さんの説明のほか、地域住民らが昔の様子を説明し、参加者らはメモを取るなどして熱心に学んでいた。
 羽地小4年で、双子の玉城暖人(はると)さん(10)、祐人さん(10)は母親の陽子さんと参加。暖人さんは「蔡温の政策とか、田井等に石碑があることなど知らなかった」、祐人さんは「疲れたけど、歩いてみて羽地大川の歴史を知ることができた」と話した。
 座喜味区長は「振慶名のことをもっと知ってもらおうと取り組んできた。取り組みを続け、将来的には地域の案内ができる方を増やしていきたい」と話した。 (池田哲平)