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地域の農業支える地下ダム 糸満・八重瀬 親子で米須、慶座見学


地域の農業支える地下ダム 糸満・八重瀬 親子で米須、慶座見学 止水壁近くに降りて地下ダムを観察し、水の冷たさを手で確かめる参加者ら=2日、八重瀬町の慶座地下ダム
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【糸満・八重瀬】沖縄総合事務局土地改良総合事務所主催の野外学習会が1、2の両日、糸満市と八重瀬町で開かれた。両市町の小学生と保護者が米須地下ダム、慶座地下ダムなどを見学し、本島南部の農業を支えるかんがい施設の役割を学んだ。農業への理解を深めること目的に、コロナ禍や台風による中止を経て、5年ぶりに開催された。
 2日は9組24人の親子が参加した。同事務所職員らが、大きな川がない同地域の農家はかつて、独力でわき水を海岸から畑に運んだり雨水をためるなど、水の確保に苦労したことを伝え、琉球石灰岩のすき間に水が貯まる地質を利用した地下ダムの建設について説明した。
 米須地下ダムでは、地下水をせき止める止水壁が最深約70メートルに達し、長さ2.3キロにわたって地下に張り巡らされていることを学習した。
 慶座地下ダムでは、年間22~23度で水温が安定している地下水を手で触ったりした。両ダムでくみ上げた水約1万トンをためる「仲座ファームポンド」も見学した。
 母親と参加した幸地祐寛さん(9)=東風平小4年=は「地下ダムを見たのは初めて。水が冷たくて気持ちよかった」と話した。 (岩切美穂)