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青雲寮児童らの心育む 渡嘉敷 キャンプ体験、平和学習も


青雲寮児童らの心育む 渡嘉敷 キャンプ体験、平和学習も 平和学習で集団自決跡地の慰霊碑で黙とうする参加者=14日、渡嘉敷村
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【渡嘉敷】県内児童養護施設の子どもたちを対象にした「とかしきチャレンジキャンプ2024」(主催・国立沖縄青少年交流の家、連携団体・県社会福祉協議会)が12日から2泊3日で、渡嘉敷村で行われた。糸満市にある児童養護施設・青雲寮の児童生徒29人、同施設職員10人が参加した。渡嘉敷島の豊かな自然環境の中で、仲間との共同生活や活動を通して協力する心、感謝する心、自然の美しさに感動する心などを育むことが目的。
 初日は交流の家キャンプ場で仲間と協力してテントを設営し、火をおこしてかまどでまきを燃やし、野外炊飯を体験した。カレーライスの手料理に「とてもおいしい」と舌鼓を打った。夜は満天の星の下、キャンプファイヤーで仲間と交流を深めた。
 2日目は大型サバニ(ガラスボート)こぎ、シュノーケルとスーパーフロート、オープンカヤックなどを体験し、歓声を上げながら島の大自然を満喫した。その後、交流の家本館棟(北山)に移動し、星空観察やクラフト作りを楽しんだ。
 最終日は地元の平和ガイドを講師に迎えて平和学習を実施した。島の戦争についての講話のほか、交流の家に隣接する「日本軍赤松隊本部壕」や、島の悲劇「集団自決」(強制集団死)の跡地の慰霊碑などを巡った。
 児童生徒は「島でいろいろなことが体験でき良かった。また来たい」「集団自決の話を聞いて命の大切さや戦争の恐ろしさが分かった」と感想を話した。
 交流の家企画指導専門職の棚原信さんは「キャンプを通して、子どもたちが心身ともに成長する場になることを期待する」と語った。
  (米田英明通信員)