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車いすで楽しめる水族館に 陽明高校生 本部で体験実習 バリアフリー向上へ提案


車いすで楽しめる水族館に 陽明高校生 本部で体験実習 バリアフリー向上へ提案 介護総合演習を受講し、沖縄美ら海水族館で「車いすでのバリアフリー体験実習」に臨んだ陽明高校3年生=5日
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【本部・浦添】県立陽明高校(宮里哲校長)総合学科の介護総合演習を受講する3年生6人が5日、本部町の海洋博公園・沖縄美ら海水族館を訪れ、「車いすでのバリアフリー体験実習」を行った。障がいのある当事者の視点から、「沖縄観光バリアフリー宣言」を掲げている沖縄県の観光産業と共生社会を関連させた対人援助職の在り方について学んだ。

 体験を通して生徒らは多くの気づきを得た。「ベビーカーや電動車いすを無料で貸し出しており、観光客に優しい」と話す吉田周史さんは「使っていない車いすの寄付を募ってもいい」と提案した。親川陽向さんは「車いす観覧スペースや点字の説明書きがあった。水族館内は急坂をなくし、音声ガイドも必要だ」などと話した。岡田千咲さんは「お客さんが車いすに気づかず、ぶつかりそうになった。車いすにライトを付けて周りのお客さんに気づいてもらう」と説明した。上間瑠夏さんは「車いすでは見えづらい水槽もあった」と指摘した。呉屋朱音さんは「床がじゅうたんみたいな素材で、ゆっくり移動できた」と話し、「外の整備が必要。マナティー館の帰り道にスロープが欲しい」と要望。盛優菜さんは「車いすに光るテープをつけて目立たせる」とアイデアを挙げた。

 下地将生教諭は「遊びを学びに変換し、人生のストーリーに価値を見いだしてほしい」と期待を込めた。生徒らは高校卒業後は進学し、福祉や医療、看護についてより専門的に学ぶ。

 (池辺賢児通信員)