宮古島市平良久松の農地を広栄開発が約8年にわたって違反転用し、重機を置くヤードとして使用している問題で、県が9月10日に、広栄開発や当事者である粟国恒広・宮古島市議に対して農振法に基づく原状回復を求める勧告を出したことが同30日までに分かった。同市議会9月定例会の一般質問で、市の担当者が山下誠市議の質問に答えた。
市や市農業委によると、市はことし3月に農振法に基づく原状回復を求める勧告を出したが、現状が変わらないことから同法違反事案処理要領に基づき県に違反行為事案報告を行った。県は当事者の認識の確認や行政処分の必要性を検討した結果、9月10日に知事名で原状回復などを求める勧告を出した。期間は12月9日まで。
違反転用問題を巡っては、市議会3月定例会で当事者の粟国市議に対する辞職勧告を、賛成多数(賛成19人、反対2人)で可決した。一般質問では農地法や農振法に違反していることも指摘されている。
粟国市議は、市農業委に対して原状回復の義務がないことを確認するため、調停申立書を平良簡易裁判所に提出したが、6月4日に調停不成立となった。
今後、広栄開発や粟国市議が県の勧告に従わなかった場合、中止命令などを経て刑事告発に至ることもあるという。
また、農地法を取り扱う市農業委も刑事告訴や強制代執行なども視野に、弁護士と相談しながら対応を検討するとした。
(友寄開)