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訪問客と住民、共に幸せに 南城で観光地域づくり講演会


訪問客と住民、共に幸せに 南城で観光地域づくり講演会 観光地域づくりのあり方について議論するパネリストら=2日、南城市文化センターシュガーホール
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 【南城】南城市主催の観光地域づくりをテーマにした講演会が2日、市文化センターシュガーホールで開催された。「住んでいる人、訪れる人 ともに幸せを感じる観光地域づくりとは」をテーマに、内閣府沖縄総合事務局運輸部長・沖縄総合観光施策推進室長の星明彦氏、JTIC・SWISS代表の山田桂一郎氏が講演した。

 星氏は「地域の基幹産業、観光産業、金融などが連携してエリア価値を向上させることで地域の全員が共栄し世界で勝つ時代だ」と市の可能性を説いた。山田氏は「経済的な数値の把握だけでなく、環境や景観、住民の観光に対する認識や評価なども必要だ」と述べた。

 市は「観光地域づくり法人(DMO)」による観光振興を目指し、市民を対象にしたワークショップや講演会を開催している。パネルディスカッションでは地元事業者として南都取締役の高橋匠氏、市民代表として琉球舞踊家の新里春加氏、若者代表として市出身の親川由実氏も参加して、市民を中心とした観光地域づくりについて話し合った。

 高橋氏は「ガンガラーの谷や玉泉洞など、高い価値を持つものがたくさんある。観光は地域の大切な財産を守るための一つの手段だ」と述べた。新里氏は「伝統芸能は王朝時代から外国からの客をもてなしてきた。地域の伝統芸能が生活に根差しているところに観光客が魅力を感じるようになるのが望ましい」と語った。大学のゼミで観光を学んだ親川氏は「地域の課題改善に期待している。知念地区では人口減少が特に激しく、観光の発展が人口増加につながれば」と述べた。

 (普天間伊織)