アグー3匹「侍」と空飛ぶ 復活の地・名護の市営市場の壁面に 出身のフーパーさん制作 沖縄


アグー3匹「侍」と空飛ぶ 復活の地・名護の市営市場の壁面に 出身のフーパーさん制作 沖縄 アグーの壁画を描いたフーパーいずみさん(右)と制作を依頼した渡具知豊さん=9月3日、名護市営市場
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 【名護】名護市営市場の駐車場壁面にこのほど、琉球在来豚アグーをモチーフにした壁画が完成した。グラフィックデザイナーで名護市出身のフーパーいずみさん(43)が制作。名護の特産品であるアグーの復活に取り組んだ陶芸家の名護宏明氏、初代名護博物館館長の島袋正敏氏、北部農林高校教諭だった太田朝憲氏の3人を侍に見立て、3匹のアグーが侍とともに羽ばたく様子を描いた。

 地域活性化を目指して名護市と連携する北谷町のデポアイランドに設置された月のオブジェや、特産のシークヮーサーを壁画に取り入れた。

 制作を依頼したやんばるナゴラブの渡具知豊さんは、壁画を通じて「名護がアグー復活の地域だとアピールしたい」と願う。壁画には今後、アグーなどへの思いを記した銘板や、名護のアグーの歴史と取り扱う飲食店を紹介するQRコードの設置を検討している。渡具知さんは「全ては名護アグーの『うまい』のために活動する。名護に泊まり、絵を見て、おいしいアグーを食べてほしい」と話した。

 現在オーストラリアを拠点に活動するフーパーさんは7月に母親を亡くし、一時帰国していた。子どもの頃はギャラリーや美術館へ一緒に出かけたこともあり「母が天国から見てくれるかなと考えながら描いた。完成を喜んでくれたらうれしい」と目を細めた。

 壁画の制作は渡具知さんと偶然再会したことから始まり、下書きから3日で描き終えた。制作中は多くの友人が手伝いに駆けつけ、地域の人々や観光客からも声をかけられた。

 フーパーさんは完成した壁画を見つめ「大好きな名護に関わる仕事ができて光栄だ。名護愛がある人が海の向こうで頑張っていることを知ってほしい」と笑顔を浮かべた。
  (武井悠)