【阿嘉島=座間味】10月8日の寒露を境に今年もサシバの渡りの季節が訪れた。阿嘉島でも毎年のように飛来する姿が見られる。
運動会の時には空いっぱいにタカ(サシバの沖縄名)が回っていたという昔ばなしが、ほとんどの年配の方々から聞かれるほど、島ではなじみの深い鳥の一種だ。
国内の繁殖地から移動するサシバのほとんどは、阿嘉島を含む南西諸島を経由すると考えられている。一部はそのまま奄美大島や沖縄島、宮古島などにとどまって越冬し、さらに南下してフィリピンなどまで移動する個体もいる。
阿嘉島での初認は同6日午前11時30分ごろで、11羽のサシバが集落の上空を旋回しながら西に飛び去って行った。17日までの合計通過数は2569羽を数え、最大数は15日の601羽だった。17日には19羽のみの確認となり、サシバの渡りは一段落したようだ。
他の渡り鳥ではアカハラダカやハチクマなどの猛禽(もうきん)類、ツバメやエゾビタキといった小鳥類も観察できる。季節の変化とともに渡って来る鳥の種類も変わる。 (村石健一通信員)
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寒露の空 サシバ悠々 阿嘉島、渡りの季節
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琉球新報朝刊