サッカーの明治安田J3第30節第2日の7日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでカマタマーレ讃岐と対戦し1―0で勝利した。通算成績は10勝15敗5分けの勝ち点35。17位に浮上した。7月8日の松本山雅FC戦以来、およそ3カ月ぶりにホームで勝利を収めた。
立ち上がりは讃岐がペースを握ったが、琉球が落ち着きを取り戻すとボールを支配し、先制点を挙げた。後半も序盤は讃岐がペースを握ったが、粘り強い守備で堪え忍んだ。琉球は後半15分ごろから選手を入れ替えて攻撃陣を投入。好機をつくったが、追加点には至らなかった。
次戦は14日、岩手県のウエスタンデジタルスタジアムきたかみでいわてグルージャ盛岡と対戦する。
(2)タピスタ(琉球2勝)
琉球 10勝5分け15敗(35)
1―0(1―0,0―0)
讃岐 9勝9分け12敗(36)
▽得点者 【琉】 富所(1)
▽観客 1397人
【評】琉球は守備の意識が徹底されていたことに加え、攻撃でインターセプトからの反転攻勢やビルドアップ、縦パスなど多彩な攻撃を見せた。シュート数や好機は讃岐が多かったが琉球が粘り強く守り、少ないチャンスをものにした。
1―0のリードで後半43分にMF武沢一翔がけがを負い、残り時間は10人でゴールを死守した。アディショナルタイムは6分。金鍾成監督は「監督として無力さを感じた。かける言葉もないので、後は選手を頼るしかなかった」。3カ月ぶりのホーム勝利を決めた瞬間、選手はピッチに倒れ込むなど満身創痍(そうい)の状態だった。観客からは歓声と指笛が飛んだ。
勝利の立役者は“ミスター琉球”ことMF富所悠だ。前半20分、GK田口潤人のパスからビルドアップし、左サイドハーフの富所がつなぐ。DF柳貴博がパスを受けると、「返ってくることは分かっていた」と富所。駆け上がるとゴール前で柳の切り返しに合わせ、先制点を決めた。
相手に守備裏を抜けられるなど、窮地は幾度となくあった。それでもFW陣も守備に加わり、守り切った。金監督は練習から守備のポジショニングを口酸っぱく指摘しており、「体を張って守ってくれる姿勢が見えた」とたたえた。
田口は「選手が自信を持ってきている」と手応えを示す。GKからのパスコースも増えたという。ボランチから左サイドへのポジション変化に応えた富所は、今季初ゴールの喜びもそこそこに「勝ち続けないと意味がない」と次節を見据えた。
(古川峻)
結果が最優先
金鍾成監督(琉球)の話 攻守においてチームに求めることはまだあるにせよ、何よりも結果が最優先だと選手と共有している。けが人が出たり、最後は人数が足りない状況になったりしたが、勝ち点3を取れたことがゲームの何よりの成果だ。
悔しい試合に
米山篤志監督(讃岐)の話 これまでは負けても選手がしっかり戦った時はねぎらってきた。そのようないい部類の試合だったが、勝たなければいけない試合だった。メンタル面やゴール前のクオリティーの勝負で負けた。悔しい試合になった。