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高校サッカー、那覇西と名護が決勝へ 那覇西の玉城が躍動 名護はPK戦でGK松瀬が決勝点 県予選


高校サッカー、那覇西と名護が決勝へ 那覇西の玉城が躍動 名護はPK戦でGK松瀬が決勝点 県予選 那覇西―宜野湾 前半、先制ゴールを決めて喜ぶ那覇西の玉城寿翔=4日、八重瀬町の東風平運動公園サッカー場(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 砂川 博範

 サッカーの第102回全国高校選手権県大会は4日、東風平運動公園サッカー場で準決勝2試合が行われた。那覇西は4―0で宜野湾を下し、名護はコザと1―1で迎えたPK戦の末に勝利し、決勝進出を決めた。決勝は11日午後1時5分から、南風原町の黄金森公園陸上競技場で行う。優勝校は全国選手権(12月28日~2024年1月8日、東京・国立競技場ほか)に県代表として出場する。


玉城、俊足と突破力で躍動 那覇西

 那覇西がスピードとボールさばきで宜野湾を圧倒した。狭いスペースからでも正確なパス回しでボールをつなぎ、4点を奪って完勝。相手には1点も与えず決勝へと駒を進めた。

 中でも右サイドの玉城寿翔は2得点を挙げ、勝利を引き寄せる活躍を見せた。1点目は前半16分、相手のマークを抜け出し、中央でボールをキープしていた頭山亮太からのスルーパスに反応。GKと1対1となり、落ち着いて先制ゴールを決めた。後半の2点目も密集エリアでのせめぎ合いから球際を制し、横の連係でつないだパスを最後は玉城が蹴り込んだ。

 今大会は2回戦での1点のみと苦しんだが、「ここでゴールが欲しかった」と俊足と突破力を生かし、大事な準決勝で躍動した。

 那覇西には長身の選手が少なく、チーム発足時から走り負けないでパスでつなぐプレーを攻撃の柱としてきた。勝利が決定的となってもみんなが手を緩めることなく、最後まで宜野湾ゴールを襲い続けた。

 玉城は「この2年間、選手権大会で全国に行けず悔しい思いをしてきた。今年は絶対に行く」と頂点を目指し、全ての思いをぶつけていく。

 (砂川博範)


PK戦、GK松瀬が決勝点 名護

 名護とコザの準決勝は延長でも勝敗が決まらず、PKの7人目までもつれる大接戦となった。その中で最終的に勝利をもたらしたのは主将でGKの松瀬真之介だった。松瀬は相手PKのミスを2本誘っただけでなく、7人目のキッカーとしてもコートに立ち勝利を呼び込むシュートを決めた。試合後「最高の思いだ」と喜びを爆発させた。

名護―コザ PK戦でシュートを決める名護のGK松瀬真之介(又吉康秀撮影)
名護―コザ PK戦でシュートを決める名護のGK松瀬真之介(又吉康秀撮影)

 名護は前半15分に先制されるが、同27分に桃原泰空のヘディングで点を奪い返し、振り出しに戻した。その後はどちらも決め手を欠き、勝負はPKへ。

 挙手でキッカーを決めた名護は、4人目までは手が挙がったが他は希望者が出なかったため、松瀬は「自分が行きます」と申し出た。5―5となって迎えた7人目。松瀬が蹴ったボールは、相手GKの横跳びも間に合わず、ポストの左隅へと吸い込まれた。直後の相手PKは枠を外れた。

 夏の県総体は1回戦で涙をのんだ名護。引退予定だった3年生もいたが「このままでは終われない」と8人が残り、雪辱を誓った。その思いが実を結び、決勝まで勝ち上がってきた。あと1勝すれば全国の舞台が待っている。全員で夏の忘れ物を取りにいく。

 (砂川博範)