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青森山田4度目頂点 サッカー全国高校選手権 底力桁違い、後半突き放す


青森山田4度目頂点 サッカー全国高校選手権 底力桁違い、後半突き放す 青森山田―近江 後半、近江のGK山崎(左)をかわし勝ち越しゴールを決める青森山田・米谷=国立競技場
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 サッカーの第102回全国高校選手権最終日は8日、東京・国立競技場で決勝が行われ、青森山田が近江(滋賀)に3―1で勝ち、2大会ぶりに頂点に立った。第95、97、100回大会に続き、4度目の制覇。

 青森山田は前半33分に右クロスから福島が先制。後半の立ち上がりに追い付かれたが、15分に米谷が決めて勝ち越し、25分にオウンゴールで加点した。2023年度の青森山田は高円宮杯U―18(18歳以下)プレミアリーグに続くタイトル獲得。

 近江は初優勝を逃し、滋賀県勢として野洲以来18大会ぶりの制覇に届かなかった。青森山田の米谷と市船橋(千葉)の郡司が通算5ゴールで得点王に輝いた。


 1―0の後半2分。堅守の青森山田が相手のドリブルと好連係に翻弄(ほんろう)され、同点にされた。しかし全く崩れない。運動量を落とさず、速攻から隙を突いて2得点で突き放した。桁違いの底力で貫禄を示し、2大会ぶりの制覇に、主将の山本は「最高です。目標としていた日本一に、ほっとした」と顔をほころばせた。

 追い付かれても山本は「焦らずに。勝てると分かっていた」と自信があった。後半15分、GK鈴木の長い球を福島が頭で前につなぎ、川原がワンタッチで相手守備ラインの裏へ。抜け出した米谷がGKをかわして流し込んだ。10分後はCKの守備から杉本、川原らが猛然とカウンター攻撃。最後は杉本のシュートがオウンゴールを誘った。

 ドリブルとパスを織り交ぜた華麗さは相手が上。それでも複数人が連動したプレスと強烈な球際の当たりで要所を締めた。結局、許したシュートは2本だけだった。

2大会ぶり4度目の優勝を果たし、記念写真に納まる青森山田イレブン=国立競技場

 強豪に育て上げた黒田前監督が2022年秋に退任したが、練習で選手たちが厳しく要求し合う習慣は不変で、正木監督は「私が話す必要がないくらいコーチングの声が飛んでいた」と言う。監督として初の頂点に立ち「1回優勝したことで欲がもっと出てきそう」とにやりとした。

(共同通信)