サッカーの第102回全国高校選手権は12月31日、東京都の駒沢陸上競技場などで2回戦が行われた。初出場となる県代表の名護は、初戦の2回戦で明桜(秋田)と対戦し0―2で敗れた。前半は積極的に攻めながらも堅守を発揮して0―0で折り返した。後半は開始早々に先制され、その後も13分に追加点も奪われた。名護も最後まで攻める姿勢を見せてゴールに迫ったが、得点にはあと一歩届かなかった。
名護は前半序盤から積極的に攻めてゴールへと迫った。右FWの比嘉秀彩が足の速さを生かしたドリブル突破で何度も好機をつくり存在感を発揮した。比嘉秀彩のパスを受けた中央の仲村光羽が利き足の左でシュート。わずかに左に外れ、先制点は逃した。松田淳人はGKの隙を突いて抜き去るも、ゴール中央でDFに阻まれた。堅守も発揮した。サイドから中央へのクロスを何度も入れられたが一丸の守備で無失点に抑えた。
しかし、後半開始早々に速い展開から失点。裏へのパスに前線の選手が走り込み、ワンタッチでゆっくり流し込まれた。名護は攻める姿勢を崩さずに仲井間夏樹がゴロのシュートを放ったが、惜しくも右ポストにはじかれた。13分には右クロスに頭で合わせられて2失点目。ゴールを飛び出す積極的守備でセーブを狙ったGK松瀬真之介主将は「2失点とも自分の判断ミスだった。仲間に申し訳ない」と肩を落とした。
比嘉秀彩は「これまでつまずくこともあったが、自分たちでやるべきことを考え、自主性を持ってやってきた」とやりきった表情だった。「自分たちで技術を積み上げて全国で初戦を突破してほしい」と後輩たちへ思いを託した。
(大城三太)
1年仲村、DFを翻弄
1年生ながら名護の仲村光羽(こうは)がピッチで躍動した。156センチと小柄で相手選手に当たり負けする場面もあったが、細やかなタッチと切れのあるフェイントを駆使したドリブルでDF陣を翻弄(ほんろう)した。
惜しまれるのは試合終了間際、0―2の場面でチームが得たPK。「小中高と公式試合では一度も外したことがなかった」と仲間たちからキッカーとして送り出された。一矢報いたかったが「左上を狙っていたが、ボールスピードが弱かった」と内側気味のコースを読まれて阻止された。
試合後は目を真っ赤にし「あそこで確実に決めることができるのがエース。3年生を勝たせることができなくて悔しい」とうなだれた。それでも、ドリブルで通用する手応えも得たようで、「もう一度この舞台に戻ってきたい」と成長を誓った。
(大城三太)
堂々とやり切った
比嘉洋介監督(名護)の話 初出場だが、これまでで一番いいゲームをしてくれた。全員がいいパフォーマンスをして堂々とやり切った。相手はチャンスを逃さない強さがあった。大会前に県外チームと練習試合をすることで経験を重ねることができた。