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比嘉成、五輪へ第一歩 世界ジュニア重量挙げで3位 高校女子王者が躍動


比嘉成、五輪へ第一歩 世界ジュニア重量挙げで3位 高校女子王者が躍動 スナッチを成功させる比嘉成(本人提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 初の世界挑戦で重量挙げの高校女子王者、比嘉成(本部高3年)が銅メダルを獲得した。18日(日本時間)にメキシコで行われた重量挙げの世界ジュニア選手権大会の女子59キロ級に出場した比嘉は、スナッチ90キロ、ジャーク106キロ、トータル196キロで3位に入った。スナッチは3位、ジャークは5位だった。


 自身初めての世界大会に挑んだ比嘉成(本部高3年)は、女子59キロ級でトータル196キロを挙げて3位に入った。メダル獲得を目標にしており、「3位という結果を残せてうれしい」と声を弾ませる。

 スナッチ1本目の90キロを成功させたが、2本目の93キロでつまずいた。バーベルが一瞬後ろにいったが、それを戻して立ち上がろうとした時に足が横に滑ってしまい、落とした。3本目も同じ重量に挑んだが勢いがつきすぎてしまい、後ろに落としてしまった。

 ジャークはアップの時に立ちくらみのような状態になってしまったというが、1本目の103キロを挙げ切った。「(動きが)よくなりました」とコーチの平良真理さんと父の敏彦さんに言いながら、アップ場に戻った。目標の3位以内へ向け、ほかの選手の状況を見ながら申告重量を変えた。当初の予定より2キロ上げた106キロは「よりよく挙げ切れた」と差し切った。しかし3本目の108キロはバランスを崩してしまい、記録は伸ばせなかった。

女子59キロ級でトータル3位となった比嘉成(右)とコーチとして帯同した父の敏彦さん(本人提供)

 新型コロナの影響で昨年選ばれていた世界ユース大会が中止になるなど、世界の舞台になかなか立てなかった。「頑張れば、世界でメダルに近付ける」とモチベーションを落とさず、国内では高校女子でほぼ敵なしで頂点に立ち続けた。今大会で結果を残して自信も手にしたが、一番の収穫は一つ一つの試技の重要性だ。「一度のミスがトータルに響く。いつもの試技をして、成功率を上げていきたい」。ロサンゼルス五輪出場を目指す比嘉の、世界での勝負は始まったばかりだ。

 (屋嘉部長将)