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沖縄SVがJFL残留決める 1年での降格回避に「ほっ」 入れ替え戦で市原に2ー1【3日の試合】


社会
沖縄SVがJFL残留決める 1年での降格回避に「ほっ」 入れ替え戦で市原に2ー1【3日の試合】 沖縄SV―VONDS市原FC 先制ゴールを決めた安在和樹(右)に駆け寄って喜ぶ沖縄SVの選手ら(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 サッカー日本フットボールリーグ(JFL)の沖縄SVは3日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで全国地域チャンピオンズリーグ2位のVONDS市原FC(千葉)との入れ替え戦に臨み、延長戦の末、2―1で市原を退けてJFL残留を決めた。延長前半に伊集院雷(らい)が決勝点を挙げて勝ち越した。前半は沖縄SVが主導権を握り、ボールを保持しながら攻める機会をうかがった。冨久田和真のエリア内からのシュートや、コーナーキックから得点を狙ったが0―0で折り返した。後半は、市原が攻める姿勢を見せたが、沖縄SVは我慢強く守った。安在和樹が先制点を奪ったが、市原に切り崩され、1―1の同点で前後半15分間の延長戦へ突入した。延長前半に荒井秀賀からの縦パスを受けた伊集院が蹴り込んで貴重な追加点を奪った。後半は粘り強く守り切って逃げ切った。

(3日・タピック県総ひやごんスタジアム)
沖縄SV(JFL15位)
 2―1(0―0,1―1,延長1―0,0―0)
VONDS市原(全国地域CL2位)
沖縄SVはJFL残留


 1―1の同点で迎えた延長前半、途中出場の伊集院雷が足の速さを生かして抜け出し、決勝弾をゴールに突き刺した。

沖縄SV―VONDS市原FC 延長前半終了間際、勝ち越しのシュートを決める沖縄SVの伊集院雷=3日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 敵陣へと切り込む中、荒井秀賀のスルーパスから守備を置き去りに抜け出した。やや右よりの位置から「角度はなかったが、浮かせば入ると思った」とGKの頭上を鋭く突いてゴール、勝利をぐいっと引き寄せた。

 後半は互いに攻守でせめぎ合いが続いたが、守り切った。「思い通りに得点できず、1年間苦しかった。最後にチームの役に立つことができてうれしい」と喜びがあふれた。同じく途中出場の飯島翼もボールキープ力や豊富な運動量で攻撃を活性化させた。

 1発勝負でJFL残留か地域リーグ降格かが決まる大事な一戦。選手一人一人が自らの役割に徹し、瀬戸際で踏ん張った。守備の重要性を認識して臨み、派手さはないながらも、ミスのないボール運びや判断力を発揮した鯉沼晃の安定感が光った。現役最後の試合となったDF岡根直哉は「JFLと地域リーグでは相当な差がある。チームのために来季もJFLで戦えるという結果を残せてよかった」と安堵(あんど)した。

 (大城三太)


安在、膠着状態に風穴 「勝つことが全て」

 沖縄SVは前半、ボランチの秋本和希主将、荒井秀賀を中継地点にほとんどの時間で主導権を握った。巧みなパス回しで相手を手玉に取りながらも、ゴールが遠かった。

 後半は市原に勢いがあり、受け身の場面が続いたが、均衡を破ったのは安在和樹だった。右の松下大祐のクロスがそのまま流れ、相手守備がクリアに手間取っている間に奪い、強烈なシュートをたたき込んだ。「相手はこちらの気配に気付いていなかったようでトラップ際を狙った」と一瞬の隙を見逃さなかった。

 精度の高さからリーグ戦でもコーナーキックを任されている。膠着(こうちゃく)状態に風穴を開ける今季初ゴールでチームを勢い付けた。優位に立ったことで守備ラインを下げてしまい、8分後に同点に追い付かれたが、「勝つことが全ての試合だった。勝利で終われてよかった」とうなずいた。

 (大城三太)


冷静に戦えた

 髙原直泰監督(沖縄SV)の話 ほっとしている。来年もJFLで戦うことができる。冷静にチャンスを探りながら戦えた。先制してからは引いてしまい、追い付かれた。8月の中断期間の時点で入れ替え戦を想定していた。接戦でも粘り強く戦えるチームになった。

攻守120%戦った

 布啓一郎監督(市原)の話 選手は攻守で120%戦ってくれた。2回先行され、1度は追い付いたが、2度目は追い付く力がなかった。クロスを上げるシーンをもっとつくりたかった。日程的にかなり厳しく、この1週間は疲労回復に当てるしかなかった。