ボクシングの第60回県高校選手権は9~11日、沖縄水産高で行われた。各階級決勝では、フライ級は根間空志(陽明高支)がRSC3回1分31秒で徳嶺来颯(沖縄水産)に破り優勝した。ピン級は比嘉暖人(球陽)が2―1で親川仁(沖縄水産)を退け、ライト級は宮里阿連(北谷)が1回1分43秒で比嘉民都(名護商工)を下して栄冠をつかんだ。ライトフライ級は山元利月(南風原)、バンタム級は高山朝生(沖縄水産)、ウエルター級は安里悠(陽明)がそれぞれ頂点に立った。最優秀選手賞はフライ級の根間が選ばれた。
フライ級決勝は11月の九州大会Aパート2位の根間空志(陽明特支)と、同Bパート優勝の徳嶺来颯(沖縄水産)の顔合わせとなった。3回1分31秒、根間が左右のワンツーを放ち、徳嶺の上体を持ち上げる。ここで強烈な左フックを浴びせてRSC勝ち。「県で勝つのは当たり前だ」と威勢よく話した。
持ち前のフットワークでテンポ良く動き回り、相手の大振りを誘ってはカウンターを打ち込んだ。「人の2、3倍は足を使うのがモットー」と試合を優位に運んだ。ただ「全国選抜を考えすぎた」と打撃が固くなったことが課題になった。
元プロの父、仁(まさし)さんに指導を受け、1歳半からグローブをはめて壁を打っていたという。3歳から本格的に競技を習い、「沖縄ボクシングの父」と言われる金城真吉さん(故人)に教わったこともある。
夏から全国や九州、県大会が連続で続いた。3月の全国選抜まで「自分のボクシングを見直す期間になる」と意気揚々と語る。「選抜で優勝して日本代表になり、ジュニアの世界大会に行きたい」。大志を抱き、選抜へと準備を進める。
(古川峻)