バレーボールの第76回全日本高校選手権大会(春の高校バレー)は4日、東京体育館で開幕し、男女1回戦が行われた。2年連続出場の男子西原は2―1で小松大谷(石川)を破り、2回戦進出を決めた。男子西原は午後3時から郡山北工(福島)と2回戦を戦う。大会は男女各52校が参加。準々決勝までは3セット制、準決勝と決勝は5セット制で争う。1回戦から観客を入れて実施するのは4年ぶりとなる。
男子西原がシーソーゲームを制し、2―1で1回戦を突破した。小松大谷(石川)のクイックに苦しめられながらも、田崎憲斗と大松悠樹の両エースが強烈なスパイクで点を重ね、チームを引っ張った。
サーブから相手の体勢を崩す得意の形をつくれず、最初のセットを落とした。第2セットは嵩原祐作のサービスエースから、本来の攻撃的なバレーを取り戻して25―18で制し、セットカウントで並んだ。
勝負の第3セット。中盤まで相手を追う展開が続く中、田崎がエースとしての本領を発揮した。「今まできつい練習にも耐えてきた。ここで簡単には終われない」と力強いスパイクを決めていった。
勢いを増した西原はここから積極的な試合運びで相手のミスを誘うなど、5連続得点で逆転に成功した。2年生の大松も「3年生最後の試合にはさせたくない」と気迫のこもったプレーで先輩を支えた。終盤には大城和晴のクイックもさえ、西原は昨年初戦で敗れた雪辱を果たした。
田崎は「2回戦もエースらしくどんどん点を取っていきたい」と力強く語った。
(砂川博範)
主将平良、チームを鼓舞 強烈スパイク、何度も拾う
主将の平良晟也はリベロとしてチームを鼓舞し続けた。メンバーが得点を決めれば喜びを爆発させたり、ハイタッチを交わしたりして精神的支柱となった。流れをつかみきれない苦しい場面では、相手の強烈なスパイクを何本も拾い続け、プレー面でも存在感を示した。
試合中、あえてほえることで「チームに良い雰囲気ができる」と話す。最後まで勝敗が分からない接戦となったが、西原の決して諦めない粘り強さは平良の声かけから生まれた。
序盤で自分たちの望む展開がつくれなかったことを修正し、2回戦では「最初から自分たちのバレーをやっていく」と目標の8強入りへ向け迷いはない。
(砂川博範)
▽男子1回戦
西原(沖縄)
2―1 (22―25,25―18,25―22)
小松大谷(石川)