バレーボールの全日本高校選手権第3日は6日、東京体育館で男女3回戦が行われ、男子西原は浜松修学舎(静岡)に1―2で惜敗した。勝敗が決まる第3セット、西原は最大5点差をつけられたが、終盤に追い上げて逆転し、先にセットポイントを握った。相手も引かず一進一退の攻防が続く中、最後は堅守を発揮した浜松修学舎に軍配が上がった。
3年生エースの田崎憲斗は、これまで実力を発揮できなかった悔しさを晴らすように、序盤から躍動した。2回戦ではアタックの際、強気で行けない時もあったが「3年間必死でやってきて、このままでは終わりたくない」と高さを生かしたスパイクやバッタアタックを打ち込んでいった。
「自分がチームを引っ張る」という自覚を持ち、8強入りに導くつもりだった。だが第2セット以降、相手の厚いブロックにスパイクを止められる場面が増え「ボールを集めてくれたのに決めきることができなかった」。
エースであるため守備では強烈なサーブを打ち込まれ、レシーブの体勢を崩されることもあった。目標の8強を「達成できなかったのが悔しい」と言う。それでも「きつい練習を乗り越えたからこそ、春高に出られた。とても充実した3年間だった」と言葉を継いだ。田崎の青春を懸けた3年間が幕を閉じた。
(砂川博範)
ミドルブロッカーの嵩原祐作(3年)が守備でチームを支えた。試合に敗れ、涙を見せながらも「最後まで西原らしいプレーをすることができた」と振り返った。
相手の強烈なスパイクや意表を突くクロスに苦しめられたが、185センチの長身を生かし何度も相手のアタックを封じた。「何とか食らいついて、要所で抑えられた」と手応えを感じている。
東門篤己は2年生として先輩らをサポートした。サイドアタッカー陣へのマークが厳しい時は自ら決めて、相手の思い通りにさせなかった。中学時代に経験したセッターのフォローにも入るなど「今までで一番良い動きができた」。西原の強みであるコンビバレーを3年生から引き継ぎ、自分たちの代で8強入りを成し遂げるつもりだ。
(砂川博範)