水泳の第30回春季室内選手権競技大会は14日、県総合運動公園屋内プールで行われ、女子15~16歳の部100メートル自由形で平良吏美華(沖縄SS豊見城)が55秒96で泳ぎ、自身が持つ県記録と県中学記録を更新した。その後の日本選手権が懸かるチャレンジレースでは、55秒89を出して再び記録を塗り替えた。平良は100メートル自由形と100メートル背泳ぎで全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会(3月、東京都)の年齢別標準記録を上回り、出場権を獲得した。
そのほか、女子10歳以下の部50メートルバタフライで岡村結羽奈(ニライSC)が、男子13~14歳の部100メートル背泳ぎで仲村秀貴(同)が標準記録を越え、JOCの出場を決めた。
男子無差別級の400メートルメドレーリレーでNb沖縄A(仲野航平・比嘉功太郎・片桐瑠夏・久村一惺)が3分47秒01を出し、県新記録を樹立した。
平良、冬の特訓 結実 「56秒の壁」越える
女子100メートル自由形で平良吏美華(沖縄SS豊見城)が「56秒の壁」を越えた。昨年3月の全国JOCで56秒02の県記録を打ち立ててから約10カ月。「記録が伸びずに悩んだ」と言うが、昨年12月に国内トップ選手が出場するジャパン・オープンで見つかった課題に向き合い、脱皮した。
11位だったジャパン・オープンは、「満足できるタイムではなかった」。指導者の父、俊晴さんとその時の動画を見て、ドルフィンキックなどピンポイントで課題に向き合う特訓を昨年末に積んだ。「きつかったけど、練習から距離が進む手応えがあった」
今大会は「とにかく自分の泳ぎに集中した」。もう一つの課題である後半の失速も感じさせず、55秒96で県記録を樹立。会場を沸かせた。その後のチャレンジレースではさらに55秒89で0秒07タイムを縮めた。
特訓が実を結び、ほとんど練習していなかった背泳ぎでも100メートルで自己ベストを約2秒も更新。今後はパリ五輪代表選考を兼ねた日本選手権の標準記録突破と、全国JOCの2種目制覇を狙う。「また自己ベストを更新する」。若き実力者は成長をやめない。
(古川峻)