日本ハムファイターズの上原健太(あげな中―広島・広陵高―明治大出)は昨季自己最多タイの4勝、最長の101回1/3を投げ、防御率は2・75を記録した。「昨シーズンの感覚の引き続きでキャンプに入れている」。1日の沖縄キャンプ初日は笑顔が多く、リラックスした表情で練習に励んでいた。
昨季は充実したシーズンだった。初勝利は出遅れたものの、6月にセルラースタジアム沖縄で7回無失点9奪三振の力投を地元で披露。8月は自己最長の9回を投げ、無失点5奪三振の活躍を見せた。「スタートから考えるとよく持ちこたえた。それだけできるんだと分かった」と実感を込める。
背景には、年間を通して取り組んだウエートトレーニングがある。筋肉量とともに脂肪を増やすことで、エネルギーとパワーを持続させた。「高重量でどんなにきつくてもやり続けた。間違いではなかった」と今年も続けていくつもりだ。
キャンプではけが防止に細心の注意を払う。過去には首に違和感を覚えるなどシーズン途中から中継ぎになり、イニング数が少なくなった年もあった。「沖縄は暖かいから思った以上に動き過ぎる。そういう時のけがに注意したい」と体のケアに怠りはない。
今季は規定投球回数(143)の到達を目標に掲げる。昨季球団で達したのは3人で、上原は4番手だった。「101イニング投げてその難しさ、価値が分かった。あと42は遠いが、3人と同じレベルに立ちたい」と静かに闘志を燃やす。
昨年は一般女性と結婚し、私生活にも変化があった。「いい緊張感があり、プラスになっている。精神面でも(妻に)すごい助けられている」と引き締まった表情を見せる。「去年と同等か、それ以上のレベルを意識したい」。プロ9年目の29歳がさらなる飛躍を期す。
(古川峻)