現役ドラフトで東北楽天イーグルスから広島東洋カープに移籍した内間拓馬(25)=宜野座高―亜細亜大出。プロ4年目。最速155キロの右腕は新天地で中継ぎとしての1軍定着を誓う。「中継ぎと言えば50試合登板だが、まずは1年間常に1軍に。それができればおのずと数字も達成できる」
2月1日に始まった宮崎キャンプは「球の切れなど、自身にベクトルを向けて練習してきた」。15日からは沖縄に入り、オープン戦に登板するなど実戦練習を重ねており、「打者をどう抑えるか模索中だが、良い感じだ」と手応えを感じている。
オフには亜細亜大の先輩で横浜DeNAベイスターズの山崎康晃らと合同で自主トレに励み、「どうすれば1年間安定して投げられるのか。自分は不安定なので、考え方や気持ちの持ち方を学べた」と収穫を得た様子だった。沖縄キャンプ終了直前の26日は、ランニングやウエートトレーニングなどをこなし、次のオープン戦に向けて調整した。
2020年のドラフトで楽天に4位で入団し、21、22年は1軍で計12試合に登板、昨季は1軍での出場はなかった。2軍では先発を含む17試合で腕を振り、3勝0敗、防御率は3・88をマークした。「先発に挑戦したが、自分の良さが出ず中途半端に。後半から中継ぎに戻ったら良くなった」と振り返る。「先発での経験が今につながった」と表情は明るい。
昨年12月、現役ドラフトで広島に入団が決まった。「中継ぎ1本でいかせてください」と新井貴浩監督に直訴し道を決めた。チームもリーグも変わっての再スタート。「優勝に貢献して拾ってもらった恩を返す。中継ぎは負けゲームでも投げなければならない。チームの一員として投げ続ける」と意気込む。
昨季最優秀中継ぎ投手に選ばれた島内颯太郎など、広島には実力のある選手がそろう。「中継ぎ陣は何十試合も投げて貢献してきた。すぐにその立場にはなれないが、その第一歩となる1年にしたい」と強調する。
沖縄の子どもたちに向け「僕は小さいころからエースでもなく、諦めずに夢を追っかけてきただけだ。何かを求め、一芸に秀でれば道は開ける。僕も努力を続けて頑張りたい」とエールを送り、新シーズンへと歩み出す。
(名波一樹)
(おわり)