プロ11年目。福岡ソフトバンクホークスに移籍して2年目を迎える嶺井博希(32)=沖縄尚学高―亜細亜大出。日本代表経験のある正捕手・甲斐拓也らとの競争もあり「できることは限られている。試合に出るため、実力をレベルアップさせる」と開幕1軍を目指し、黙々と練習に打ち込む。
春季キャンプではシートノックなどの守備練習に汗を流した。打撃力強化にも精力的に取り組み、ティー打撃では力強いスイングも見せた。オフ期間にはバッティングやスローイングなどを見直した。「1年間戦える体をつくり、ここまで順調に取り組んできたことを実戦へとつなげたい」と意気込む。
昨年、横浜DeNAベイスターズから国内フリーエージェント(FA)権を行使して移籍した。昨季は44試合に出場、7安打6打点、本塁打2。打率は2割6厘だった。8月末のオリックス戦で移籍後初の2ラン本塁打、9月のロッテ戦では勝ち越しの本塁打を放った。DeNA時代から出場数は減ったものの、要所ではバットでチームを支えた。しかし結果はリーグ3位、前年から順位を落とした。「終わり方は良くなかったが、チームやリーグが変わって模索しながらの1年だった」と振り返る。
新シーズンに向けて「目標とする数字はない。優勝するために全力を尽くすだけだ」と協調する。自身の目標を多くは語らず、チームが頂点に立つことのみを見据えている。
年末には県内で開かれた野球教室に参加し、子どもたちを指導した。「捕手は地味なポジションだがやりがいは大きい。(子どもたちに)教えるだけではなく、自分のプレーをしっかりやる」と活躍を誓った。
(名波一樹)