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キングス、終始圧倒 川崎に98―70 岸本3点弾で火ぶた インサイド陣躍動、悲願“頂”へ バスケ天皇杯・準決勝【14日の試合】


キングス、終始圧倒 川崎に98―70 岸本3点弾で火ぶた インサイド陣躍動、悲願“頂”へ バスケ天皇杯・準決勝【14日の試合】 琉球ゴールデンキングス―川崎ブレイブサンダース 第1Q、3ポイントシュートを決めるキングスの岸本隆一(中央)=14日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 天皇杯決勝の舞台に2年連続で琉球ゴールデンキングスが進出を決めた。14日に行われた第99回天皇杯全日本選手権大会の準決勝でキングスは沖縄アリーナで川崎ブレイブサンダースと対戦し、98―70で勝利した。準決勝のもう1試合は千葉ジェッツが宇都宮ブレックスを78―72で下し、決勝は2年連続でキングスと千葉Jの対戦に決まった。決勝は3月16日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われる。前半、キングスはヴィック・ロー、岸本隆一が3点弾をそれぞれ3本決めるなど外から高確率で得点した。ゴール下ではジャック・クーリー、アレックス・カーク、渡邉飛勇が得点を重ねた。守備でも個々の強度が高く、川崎に思うような攻撃をさせず、45―27で折り返した。後半に入るとシュートタッチが良くなった今村佳太が2連続3点弾を決めるなどキングスが流れをつかんだ。第4クオーターに入ると、テンポを上げてシュート確率の上がった川崎に点差を縮められた時間帯もあったが、激しい守備で抑え込み、逃げ切った。

 8千人を超える観客が見守る中、キングスが2年連続の天皇杯決勝進出を決め、初の頂点に王手をかけた。

 試合は“ミスターキングス”岸本隆一のディープスリーから動き始めた。

 キングスは前半から強度の高い守備で川崎の得点を抑え続けた。インサイドではジャック・クーリーやアレックス・カークがリバウンドから得点する。その中で、ゾーン守備で攻撃を抑え込もうとする川崎に対し、キングスは速いパス回しから個々人がボールを保持する時間を確保し、積極的に外からシュートを狙った。ヴィック・ローや岸本、牧隼利が要所で3点弾を決めて、ゾーン守備を破った。

 その後も、リバウンドやペイントアタックからの得点、ミドルレンジのシュート、3点弾とさまざまなシュートを駆使し、川崎の守備を攻略していった。

 ゾーン守備に対抗し、4本の3点弾を決めた岸本は「ゾーンでもマンツーでも目の前が空いたら打つというのがうまくいった」と試合を振り返る。昨年の決勝は準優勝と悔しい結果となったが「自分たちもいろんなことを経験できて、覚悟が決まった状態で決勝に挑める。勝ち取るべくして勝ち取りたい」と力を込める。

 昨年Bリーグ王者として、決勝の舞台に忘れた“天皇杯優勝”を取りに行く。

 (屋嘉部長将)


強度高い守備維持

琉球ゴールデンキングス―川崎ブレイブサンダース 第3Q、シュートをブロックするキングスの今村佳太(右)(大城直也撮影)

 キングスは試合開始から強度の高い守備を継続し、Bリーグで1試合平均80点以上挙げている川崎を70点に抑えた。

 インサイドは先発ではスリービッグのヴィック・ロー、アレン・ダーラム、アレックス・カークが守った。ベンチから出てくるジャック・クーリーも13リバウンドを奪った。川崎の得点源の選手を荒川颯、岸本隆一、松脇圭志、今村佳太、牧隼利が複数で抑え込み、インサイドの大黒柱であるニック・ファジーカスもサイズのミスマッチが生まれても複数人で抑え込んだ。川崎の佐藤賢次HCも「レベルの高い守備でタフショットを打たされた」と悔しそうに振り返った。

 「選手たちが強度の高い守備をし、隙のないキングスのチームバスケットができた」と評価する桶谷大HC。「3点弾を打たれているのでまだできることはある」とさらなる守備の強化を目指し、決勝に挑む。

 (屋嘉部長将)


▽男子準決勝

キングス(B1)
 98―70(24―15,21―12,31―24,22―19)
川崎(B1)

千葉J(B1)
 78―72(6―24,23―21,26―13,23―14)
宇都宮(B1)

いい試合できた

 桶谷大HC(キングス)の話 いい試合ができた。出だしから守備もプラン通りできた。攻撃もボールが回ってシュートも入った。これをやっていれば、どことやっても負けないと思った。メンタル的にもしっかりしてて、ケアレスミスも少なかった。

本当に悔しい

 佐藤賢次HC(川崎)の話 本当に悔しい。リバウンド勝負だと思っていたが、結果的にリバウンドで負けた。インサイドを守らないといけなかった。キングスはレベルの高い守備をしていた。スイッチされてワンテンポ遅れてしまう場面もあった。