キングスは98点のハイスコアで、持ちうる攻め手を出し尽くした。10点以上を決めたのはビッグマン4人と岸本隆一、そして牧隼利だった。
牧は3点弾3本を含む11得点で勝利に貢献した。「攻めでは、チームとして一番良い形でシュートを打てていた。守備では相手のやりたいことをやらせなかった」と納得の展開だった。
一方で桶谷大HCは「牧には、(司令塔の役割を果たす)ハンドラーの役回りをこなせるようになってほしい」とさらなる可能性と成長に期待を込める。
牧は「(ハンドラーとして)試行錯誤している。一番確率の高いシュートをチームとして打てる状況をつくり出すことを意識している」と目指す方向性を言葉にした。
決勝は、さいたまスーパーアリーナで千葉と対戦する。埼玉出身の牧にとって「中学校以来ぶり」という地元でのプレーを誰よりも楽しみにしている様子。「去年は千葉にファーストパンチをくらった。一発勝負なので、出だしの集中力が大事になる。気負い過ぎず、自分のやるべきことをやるだけ」と闘志をみなぎらせた。
(大城三太)
天皇杯決勝の舞台に2年連続で琉球ゴールデンキングスが進出を決めた。14日に行われた第99回天皇杯全日本選手権大会の準決勝でキングスは沖縄アリーナで川崎ブレイブサンダースと対戦し、98―70で勝利した。準決勝のもう1試合は千葉ジェッツが宇都宮ブレックスを78―72で下し、決勝は2年連続でキングスと千葉Jの対戦に決まった。決勝は3月16日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われる。前半、キングスはヴィック・ロー、岸本隆一が3点弾をそれぞれ3本決めるなど外から高確率で得点した。ゴール下ではジャック・クーリー、アレックス・カーク、渡邉飛勇が得点を重ねた。守備でも個々の強度が高く、川崎に思うような攻撃をさせず、45―27で折り返した。後半に入るとシュートタッチが良くなった今村佳太が2連続3点弾を決めるなどキングスが流れをつかんだ。第4クオーターに入ると、テンポを上げてシュート確率の上がった川崎に点差を縮められた時間帯もあったが、激しい守備で抑え込み、逃げ切った。
▽男子準決勝
キングス(B1)
98―70(24―15,21―12,31―24,22―19)
川崎(B1)
千葉J(B1)
78―72(6―24,23―21,26―13,23―14)
宇都宮(B1)