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當銘アジア選手権へ カヌースプリント 試合運び冷静 日本代表選手選考会1位


當銘アジア選手権へ カヌースプリント 試合運び冷静 日本代表選手選考会1位 男子カナディアンシングル1000メートルを1位でゴールし、人差し指を突き立てる當銘孝仁=16日、東京都(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 カヌースプリントの日本代表選手選考記録会が15~17日、東京都の海の森水上競技場であり、カナディアンシングル1000メートルで當銘孝仁(沖縄水産高―大正大出、アーネスト)が4分21秒537で1位となり、パリ五輪出場枠を懸けたアジア選手権(4月18~21日、同会場)への出場権を獲得した。アジア選手権で2位以内になれば五輪出場枠を手にし、五輪代表に選ばれる。

パリ五輪 出場権獲得期す

アジア選手権の出場権を獲得した當銘孝仁(中央)=16日、東京都(提供)

 負ければパリ五輪への道が断たれる一発勝負の代表選考記録会。男子カナディアンシングル1000メートルの當銘孝仁(アーネスト)は試合前にさまざまな不安が頭をよぎったというが、本番は落ち着いてレースを展開した。「大事な局面でいい戦いができた。一山越えた」と納得した。

 序盤で数艇が飛び出して横並びが続いた。残り200メートルで當銘がスパートを仕掛け、他の選手を引き離していく。後続の伸びや距離感などを見定め、残り約100メートルで「いける」と確信。最後は他の選手の様子を見ながら逃げ切った。「気持ちが安定し、焦らずに最後まで対応できた」

 東京五輪後、一度は引退も考えたが「まだ燃え尽きていない」と集大成となるパリ五輪へ再び準備を積んできた。大事な記録会で力を発揮できたことに「これまでレースで勝ってきた経験の積み重ねがある」と自信をのぞかせる。

 パリ五輪出場が懸かるアジア選手権へ合わせるため、体の仕上がり具合はまだ完全ではない。「悔いのないようにという言葉が、ここまでしっくりくる心境はかつてなかった。最高の状態で臨みたい」。大舞台へ向け全力で突き進む。

(古川峻)