重量挙げの第84回全日本選手権大会・第38回全日本女子選手権大会最終日が29日、長崎県の諫早市小野体育館で行われ、男子109キロ級の屋良一郎(南部工高―沖縄国際大出、東村立高江小職)がスナッチ146キロ、ジャーク170キロ、トータル316キロで3位入賞を果たした。
東村立高江小の図書館で司書として働く屋良一郎が有言実行で表彰台に上がった。出発前、子どもたちに「メダルを取ってくるよー」と話していた。「メダルを見せることができる。記録よりも結果に満足している」と声を弾ませた。
出発を控えた26日の金曜日、学校の朝活動が図書館であると言われた。「なんで図書館なんだろう」と訪ねると、職員や子どもたちがサプライズで激励会を開いてくれた。寄せ書きなどを贈られ「ものすごい力になった」。本番前のアップは贈り物を入れたかばんを近くに置き、気持ちを高めた。
ジャークは練習不足だったため、スナッチでリードする作戦で臨んだ。狙い通りスナッチを全て成功させて2位に。「他の選手にプレッシャーを掛けることができた」。ジャークは1本の成功にとどまったが、トータル3位で逃げ切った。「調子は良くなかったけど作戦でカバーできた」と納得した。
「子どもたちに挑戦する大切さを感じてもらいたい」と語る。「国体出場を決めて、次は2位以上になりたい」。たくさんの期待を背に勇姿を見せ続ける。
(古川峻)