キングス再延長制す　最大15点差逆転　岸本、残り9秒で劇的3点弾　BリーグCS準々決勝第1戦【10日の試合】

　プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ（CS）の準々決勝（クオーターファイナル、QF）が10日、始まった。2戦先勝方式で、琉球ゴールデンキングス（西地区2位）は東京都の有明コロシアムでアルバルク東京（東地区2位）と第1戦を行い、ダブルオーバータイム（再延長戦）の激戦の末、81―80で逆転勝ちした。前半、互いの堅守が決まり、なかなか差をつけられない。しかし、第2クオーター（Q）は次第にキングスのシュート確率が下がる中、A東京はしっかりと決めて点差が開き、29―43で折り返した。後半に入ると第3Qに岸本隆一が3点弾を3度決めるなど猛追。4点差まで詰めて第4Qに持ち込んだ。第4Qはヴィック・ローがフリースローを決めて1点差まで詰め寄るも、相手の連続得点で再び突き放される。だが、アレン・ダーラム、今村佳太の連続3点弾などで1点差まで詰め寄り、ローの得点で逆転に成功するも、A東京にフリースローを決められ、オーバータイムへ突入した。オーバータイムも点を取り合う展開が続き、再延長戦へ。A東京にリードされたが岸本が最後に3点弾を決め、1点差で勝利をもぎ取った。QFのもう一試合の宇都宮ブレックス―千葉ジェッツは82―70で千葉Jが勝利した。キングスの第2戦は11日午後7時5分、東京都の有明コロシアムでA東京と対戦する。1勝1敗の場合は13日午後7時5分から、第3戦が行われる。

　アルバルク東京とのチャンピオンシップ（CS）のクオーターファイナル（QF）初戦は、ダブルオーバータイム（再延長戦）にもつれ込む激闘となった。残り9・3秒で最後は“ミスターキングス”の岸本隆一がディープスリーで勝負を決めた。

　前半は相手の堅守もあり、キングスのシュート確率も上がらず、点差が開いた。第3クオーター（Q）に最大となる15点差となったが、ここで前半無得点だった岸本が動いた。

　今村佳太からパスをもらった岸本は相手守備のマークを受けながらも1本目の3点弾を沈める。その後もコートを横切るパスを受け2本目の3点弾。さらにルーズボールに飛び込んだ仲間がつないだボールをトップから冷静に沈める。約5分間に3本の3点弾を決めて、流れを呼び込んだ。

　第4Q、オーバータイムでは体を張った守備で相手の得点を止めながらも0得点。それでも虎視眈々（たんたん）とタイミングをうかがっていた。再延長戦残り13秒、2点リードされた場面でアレン・ダーラムがキックアウト。「決める自信があった」。離れた位置から高い放物線を描いた岸本のシュートはリングネットを揺らした。

　短期勝負となるCSの初戦を取る重要さを知る岸本は「今日みたいな試合展開の中で、最後は勝てて良かった」と表情を少し緩ませた。「守備からリバウンド頑張って、攻撃は我慢強く、というのは変わらない。あまり先を見ていないので、一瞬一瞬に全力をかけて戦いたい」。セミファイナル進出に向け、岸本はまた表情を引き締めた。

　（屋嘉部長将）

互いに総力戦

　桶谷大HC（キングス）の話　互いに総力戦だったが、足がつっていたりした岸本（隆一）が、最後に決めてくれた。1点差で勝てたのは大きい。第2Q残り5分から攻撃が停滞して、守備まで影響してしまった。後半は前半の修正部分を修正できてイーブンに戻せた。プレータイムをシェアし、ダブルオーバータイムになっても出場時間が40分超える選手がいなかったので、11日の試合で自分たちに優位になるのではないかと思う。

リバウンド奪取　あすは徹底的に

　デイニアス・アドマイティスHC（A東京）の話　ディフェンスリバウンドが一番のキーポイントだと思う。しっかり修正してあすは臨みたい。選手たちには下を向かず、自信をもってプレーすることを伝える。ディフェンスリバウンドを徹底的に取ること。あとはオフェンスでミスをせずに、シュートで終わるということを言っておきたい。