レスリングのパリ五輪世界最終予選第2日は10日、イスタンブールで行われ、男子グレコローマンスタイル97キロ級の仲里優力(北部農林高―日体大出、佐賀県スポーツ協会)、同130キロ級の奥村総太(自衛隊)はともに3位決定戦で敗れ、五輪出場を逃した。仲里はキルギス選手に屈し、奥村は敗者復活戦から勝ち上がったが、エストニア選手に完敗した。
9日は1回戦から準々決勝まで勝ち抜いたが、五輪切符を懸けた準決勝でフィンランド選手に2―4で逆転負けを喫していた。
各階級上位3人に五輪出場枠が与えられ、初日に準決勝までを行い、2枠が決定。翌日に敗者復活戦と3位決定戦を実施し、3位決定戦の勝者同士で最後の1枠を争う。
日本グレコ勢は今大会で出場枠を獲得できず、パリ五輪代表は60キロ級の文田健一郎(ミキハウス)、67キロ級の曽我部京太郎(ALSOK)、77キロ級の日下尚(三恵海運)の3人で確定した。
女子の日本勢は出場せず、大阪府出身で一昨年にオーストラリア国籍を取得した増田奈千が62キロ級に出場した。
(共同)
力出し切り「悔いない」 ロスへ課題見据える
パリ五輪出場が断たれた仲里優力は「本当に悔いが残っていない。持てる力は全て出し切った」とすがすがしかった。
勝てば五輪出場が決まる準決勝。序盤に相手を振り回して体勢を崩し、押し出しで場外ポイントを奪うなど順調に試合を進めた。だが後半にパッシブを取られ、四つんばいの姿勢からローリングを決められて逆転された。最後まで押し続け、終わった瞬間にマットに崩れ落ちた。相手も手を膝に当て、苦しそうな表情を見せた。
3位決定戦は序盤にヘッドロックから背後を取られ、ローリングなどで続けざまに得点を取られた。約2分50秒で0―9のテクニカルスペリオリティーで敗北。「(準決勝からの)切り替えが不十分だった。のまれていた」と悔やむ。それでも「自分の実力はこれだったと思えた」と断言する。
試合が進むごとに対策を立てられ、最後は持ち味の前に出るレスリングを封じられた。「相手のパワーを止める力とか、爆発的なパワーが劣っていた」と課題を見据える。
伸び盛りの24歳。グレコ90キロ級台では、2012年のロンドン五輪以来の日本人出場を目指す。「重量級では希望の光になったんじゃないか。ロサンゼルス五輪に向けてがんばります」と切り替えた。
(古川峻)