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キングス得点伸ばせず 千葉Jに62―95 天皇杯の悪夢、はね返せるか BリーグCS準決勝第1戦【18日の試合】


キングス得点伸ばせず 千葉Jに62―95 天皇杯の悪夢、はね返せるか BリーグCS準決勝第1戦【18日の試合】 ドライブで攻め込むも、相手ディフェンスに阻まれるキングスの岸本隆一(右)=18日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)のセミファイナル(SF、準決勝)が18日、沖縄アリーナなどで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区2位)はワイルドカード下位から勝ち上がった千葉ジェッツ(東地区3位)と対戦し、62―95で敗れた。前半からアレックス・カークを使いスリービッグで臨んだキングスだが、千葉Jのスピードのある攻撃を止められなかった。千葉Jはシュート確率を維持、キングスはパスミスなどで攻撃機会を失い、38―59で折り返した。後半第3クオーター(Q)、キングスは守備で千葉Jの攻撃のテンポを上げさせなかったが、得点も伸びないままゲームが進んだ。第4Qに入ると千葉Jに連続得点を許し、点差を広げられた。準決勝もう一試合は、広島ドラゴンフライズが79―75で名古屋ダイヤモンドドルフィンズに勝利した。キングスの次戦は19日午後4時5分、沖縄アリーナで千葉Jと対戦する。

【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第1戦(沖縄アリーナ、8582人)
千葉J(ワイルドカード)1勝
 95―62(29―24,30―14,11―12,25―12)
琉球(西地区2位)1敗


 第1クオーター(Q)から千葉Jに流れを奪われたキングス。攻守で圧倒され33点差で敗れ、ファイナル(決勝)進出、連覇に向けて後がなくなった。

 ロースコアゲームとなった準々決勝のアルバルク東京戦から一転、千葉Jとの試合は点の取り合いで始まった。キングスの初得点は岸本隆一の3点弾。ヴィック・ローが第1Qだけで9得点するなど点数は伸びた。しかし、千葉Jのファイブアウトを主体とした攻撃に外からのシュートを警戒していると、空いたインサイドから得点された。逆にインサイドを警戒すると、外から高確率でシュートを沈められた。

 追い上げたいキングスだが、パスミスを連発してしまう。千葉Jは6ブロック、13スチールと守備でもキングスを上回った。

 歴史的大敗をした天皇杯を思い出させるような試合展開に、桶谷大HCは「忘れたほうがいいけど、(選手の)頭にこびりついている。CSは関係ない。今やっていることに集中しないといけない」と語気を強めた。

 後がない状況でも岸本は「(19日の試合は)先手を取っていく。最初から自分たちがリードを奪って相手の攻撃をつぶす。シンプルだけどそれが大事」と前を向く。天皇杯敗北の呪縛を解き、負けられない戦いへ自分自身、チームを鼓舞するように語った。

 (屋嘉部長将)

守備強度上がらず 小野寺「あすはチームで」

 準々決勝のアルバルク東京戦で見せたキングスの守備が千葉J戦では見られなかった。

千葉Jの富樫勇樹(手前)を懸命にマークするキングスの小野寺祥太
千葉Jの富樫勇樹(手前)を懸命にマークするキングスの小野寺祥太

 千葉Jエースの富樫勇樹を小野寺祥太や荒川颯らが押さえ込み、粘り強い守備に拍手が起こることもあった。しかし、ビッグマンの守備の強度がいまいち上がらなかった。

 岸本隆一は「序盤からたくさんの攻撃のオプションをつくられ、『この守り方でいいんだよね』という疑心暗鬼があり、エナジー不足につながってしまった」と振り返った。

 小野寺は「守備は一人ではできない。チームとして守ることがシーズンを通してやってきたこと。それを明日(19日)表現したい」と力を込める。チームディフェンスで千葉Jを止め、勝利をつかみにいく。

 (屋嘉部長将)


悪い部分全部出た

 桶谷大HC(キングス)の話 (敗因は)守備のエナジー不足と攻撃のターンオーバーの2点。5人が2桁得点とボールを回されて得点されてしまった。ちょっとCSじゃないようなゲームをしているなというところが正直ある。きょう(18日)は悪い部分が全部出たと思っている。もう一度、ワンポゼッションにどれだけ自分たちが集中して戦えるか、明日へしっかり準備をしたい。

気持ち切り替える

 ジョン・パトリックHC(千葉J)の話 最初からペースの速い攻撃をして、1対1の守備でいい守りをしてくれた。

 第3クオーターは攻撃は良くなかったが守備で集中していた。あと一つの勝利でファイナル(決勝)に行くが、気持ちを切り替えてあした(19日)試合をしたい。