有料

沖電、準決勝進出 田場、窮地救う一打 都市対抗野球九州予選


沖電、準決勝進出 田場、窮地救う一打 都市対抗野球九州予選 沖縄電力―宮崎梅田学園 8回2死一、三塁、勝ち越しの左前適時打を放つ沖電の田場亮平=26日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 社会人野球の第95回都市対抗大会九州地区予選第2日は26日、沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦4試合を行った。沖縄電力は宮崎梅田学園を2―1で破り、準決勝へと進んだ。エナジックはHonda熊本に0―3で敗れた。沖縄電力は28日、沖縄セルラースタジアム那覇でHonda熊本と決勝進出を争う。エナジックとシンバネットワークアーマンズBCは27日に、それぞれ敗者復活トーナメントを戦う。


 2死の窮地でも好機を逃さなかった。主将で4番、沖縄電力の田場亮平の勝負強さがスコアボードをひっくり返した。

 序盤、沖電打線は相手先発を打ち崩せず苦しんでいたが、それでも二回にチーム初安打を放つ。1点を追っていた六回、田場は狙い球を絞る。2死一、二塁でファウルの後、粘り強くスライダーを中前へとはじき返す同点打で、相手投手をマウンドから引きずり下ろした。

 勝負強さがひときわ光ったのが1―1の八回表だった。1死一、三塁の場面で1走の川端琉一朗が二盗を決め、2ゴロの間に三塁へ。三走は本塁に走ったが生還できずアウトになった。2死一、三塁で打席に入った田場は左前へ抜ける勝ち越し打を放ち、約2300人の観客を沸かせた。適時打に「つなぎの4番だ」と頼もしかった。

 沖電は逆転直後の八回の守備で2死満塁の危機に立たされたが、中堅手の宮國汰都が中奥への大きい当たりに食らいつくなど、好守備で勝ち越しの1点を守り切った。

 チーム在籍15年で永年功労賞も受賞した田場。「引き出しが多くなった」と今試合のプレーからも手応えを感じている。沖縄での準決勝進出に「応援の声が背中を押してくれた」と感謝した。平田太陽監督は「プロや学生とは違う魅力を伝えられたら。挑戦者として思い切り戦う」と決勝進出を誓った。

 (名波一樹)