県高校総合体育大会は27日、先行開催の5競技が各地で行われた。空手道の男子個人組手は當山泰生(浦添)が安田玲音(同)を5―4で破り、優勝した。女子個人組手は國吉なぎ(コザ)が靏田夏梨(八重山)を4―2で下して頂点に立った。
幕際に上段突き一閃(いっせん)。男子個人組手決勝は浦添勢の同門対決となった。當山泰生(浦添3年)は先取からリードを保っていたが、終盤に4―4と並ばれた。逆転を狙う相手の蹴りを右手で受けると、有効打の上段突きを打ち込んだ。先取の利で同点でも優勝だったが「(最後に)1点取りたかった」と攻めの姿勢を貫いた。
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相手は166センチの當山より10センチほど高いサウスポーだった。体格差はあったが、自ら重圧をかけて相手の隙をつくった。攻撃を避けられる背面側を取るよう、細かいステップで横方向へゆさぶった。狙い通りの展開で連続の有効打。一度相手の突きを浴びたが、すぐに取り返して4―1と先行した。
ただ、徐々に圧に押されて足が固まった。ステップは鈍り、相手のリズムに付き合わされた。残り1分を切って、3連続で突きを浴びて同点とされた。
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「詰める相手の圧に押されない」。再び足を動かし攻め立てた。終了まで残り約6秒、勝利を引き寄せる上段突きが決まった。
サウスポーを相手にうまく立ち回るのが課題だったが、九州・全国を前に一定の手応えを得た。優勝にも「攻め方はまだまだ甘い。仕掛けの精度を上げる」とさらなる高みを目指す。
(名波一樹)
國吉(コザ)女子組手制す
自身の欠点を打ち砕くワンツーだった。優勝した國吉なぎ(コザ2年)は「出だしの攻めは前よりはできたかな」と及第点を与えた。
![果敢に攻めるコザの國吉なぎ(右)(名波一樹撮影)](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/12-7.jpg)
サウスポー対決の決勝。にらみ合いの緊張を破った相手の突きに、カウンターで上段に裏回し蹴りを浴びせ、3点を奪取した。
![國吉なぎ](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/12-8.jpg)
だが、後半は守りに入って突きを2度差し込まれた。1点差。以前にもあった、リードから失点を許すパターンだ。それでも焦らず「攻めの組手だよ」という先輩からの助言を思い出した。「攻める攻める」と自分に言い聞かせ、最後は言葉通りに攻めのワンツーで上段突き。追いつかれることなく勝ちきった。
試合後の一礼の後、会場からは拍手を浴びた。同高の仲間に駆けよられ「ありがたいなあ」と感傷に浸った。
(名波一樹)