社会人野球の第95回都市対抗大会九州地区予選第5日は29日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝の継続試合が行われ、沖縄電力は2―1でHonda熊本に競り勝った。沖縄電力は31日午後1時から同スタジアムで行われる、KMGホールディングス(福岡)との第一代表決定戦に挑む。
28日の悪天候による中断に伴い継続試合となった準決勝は、七回表のHonda熊本の攻撃から再開した。沖縄電力は八回に1点を失った後に2死満塁とされて最大のピンチを迎えたが、亀里基(もとい)が打者を三振に抑え、最少失点で切り抜けた。九回は先頭打者に死球を与え無死一塁とされたが、併殺で危機を脱し、最後の打者を二飛に打ち取り勝利した。
沖縄電力が、九州地区2次予選第一代表の座を6年連続で獲得しているHonda熊本に土をつけた。
踏ん張りどころで奮起したのは、4番手として八回途中から継投した亀里基。抑えとして1死一、二塁でマウンドを引き継いだ。犠打で進塁を許した後、死球で二死満塁と、最大の危機を迎える。試合を一気にひっくり返されかねない場面だったが「点を取られたらどうしようとは考えず、目の前の一球一球に集中できていた」と2ストライクへ追い込み、最後は「外のスライダーを振らせた」と巧みに攻めて三振を奪い、窮地を脱した。
亀里は所属6年目。「3年目まで結果が出せず苦しかった。2年前からパーソナルトレーナーをつけてフォーム改善にも取り組んできた」と向上心は誰にも負けない。「下半身との連動性を意識し、制球が良くなった。スライダー、カット、シンカーなど全球種でファウルを誘えるし、奪三振率も上がっている」と成長を実感する日々だ。
九回は三塁・田場亮平主将の好プレーで併殺とするなど、チーム一丸で反撃の芽を摘んだ。田場は「強豪に勝てたことは自信になる。気を引き締め、挑戦者の気持ちで決定戦に臨む」と隙を見せなかった。
(大城三太)
▽準決勝
Honda熊本
000000010 |1
00200000×|2
沖縄電力
(H)横川、米倉、髙山、中村、片山―丸山
(沖)内間、當山、新垣、亀里―山川
▽二塁打 小濱(沖)
KMGホールディングス
400110020|8
000100000|1
西部ガス
(K)木下、飯村―大久保
(西)田中、林田、岩崎、髙椋、山田―松山、金澤
▽三塁打 宮木(K)
▽二塁打 峯、田中、中島(以上K)、井手(西)