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沖縄出身の新十両、嘉陽は「史上最速V」大の里の1学年先輩 突き押しに注目


沖縄出身の新十両、嘉陽は「史上最速V」大の里の1学年先輩 突き押しに注目 第99回全国学生相撲選手権大会で団体優勝した(左から)嘉陽と白熊、大の里=2021年11月、大阪府(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 新十両の嘉陽は、盟友で夏場所優勝した小結大の里や十両白熊に出遅れたものの、13場所での順調な出世となった。直近数場所で足踏みしたが、母の嘉陽えりかさんは「予想より早く出世してくれた。夢みたいで信じられない」と喜んだ。

 小学4年で千葉県市川市内の小学校対校の大会に代表で選ばれ、相撲と出合った。その後、スカウトされて市川市相撲クラブに入る。中学は新潟県の名門、能生(のう)中に相撲留学した。

 えりかさんによると、「嫌々だった」という相撲への姿勢は中学時代に変化した。自ら相撲中継を見るなど貪欲に知識などを吸収し、新潟・海洋高に進学すると1年からレギュラーに。高2で全国十和田大会と全国選抜大会でそれぞれ団体優勝、大学4年の全国学生選手権で7年ぶりの団体優勝を成し遂げた。

 中学からの同級生白熊と1年後輩の大の里とは大の仲良し。同門に入ったが、2人は異例の速さで出世した。えりかさんは「悔しい思いもたくさんしてきたと思うが、よく腐らずに頑張った」と誇らしげに語る。

 171センチの小兵は、2022年夏場所の初土俵から得意の押し、突きが洗練さを増している。十両でも懐に入って見せる技に注目だ。

 (古川峻)